2021 Fiscal Year Annual Research Report
血中マイクロRNAの測定による食道癌化学放射線療法の治療効果予測に関する研究
Project/Area Number |
19K21267
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 一也 東北大学, 大学病院, 助教 (80824177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道扁平上皮癌 / 化学放射線療法 / 血清中マイクロRNA / 予後予測因子 / 治療効果予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、前年度までで収集を終了した血清サンプルにおける血清中マイクロRNAの測定結果の解析を行った。その結果、化学放射線治療を受けた食道扁平上皮癌患者のうち、再発を認めた患者と再発を有さなかった患者において、血清中のマイクロRNAの発現プロファイルが異なることを明らかにした。解析を行った2632種のマイクロRNAのうち、治療開始前の血清サンプルにおいて再発群・無再発群で8倍以上の発現濃度差を認めたマイクロRNAが26種(再発群で高発現が5種、無再発群で高発現が21種)存在した。COVID-19感染症流行に伴い、患者登録の進行遅延や研究設備使用の困難、研究エフォート捻出の困難などがあり、当初予定していた細胞実験を用いた個々のマイクロRNAの検証は行うことができなかった。このため、代替として文献検索に基づく検討を行った。前述の26種のマイクロRNAのうち、腫瘍学に関する既存の報告が存在するものが15種見られた。特にmiR-107では他の癌種で放射線感受性を高める報告があり、本研究での知見と合致がみられたことから今後の研究対象として有望であると考えられた。またmiR-214-5pおよびmiR-3612については食道扁平上皮癌における腫瘍抑制因子としての報告がみられ、本研究でも再発群での低発現が認められたことから、今後のさらなる検討を要すると考えられた。以上の研究成果を日本放射線腫瘍学会第34回学術大会で報告した。今後追加の検討結果と合わせて論文発表を予定している。
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Research Products
(1 results)