2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of PD-L1 functions under genotoxic condition
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19K21268
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仁平 直江 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40589470)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内において癌細胞は免疫寛容能を獲得することで、免疫系による排除機構から回避する。PD-L1 は多くの癌細胞で高発現が見られ、T 細胞やマクロファージに発現するPD-1 に対するリガンドとして、これらの免疫細胞の不活化や増殖抑制を促すことで免疫寛容を引き起こす。これまでにDNA 損傷刺激によるPD-L1 の発現上昇や核内移行が報告されているが、PD-L1 の核内移行制御機構は明らかとなっていない。本研究ではPD-L1の核内移行の分子制御機構に焦点を当て研究を進めた。 質量分析による解析より、PD-L1は細胞内ドメインを介してクラスリンやアダプチン分子と結合し、細胞膜上からエンドサイトーシスによって細胞内へと移行することが明らかとなった。また、細胞内へ移行したPD-L1はインポーチンなどの分子との結合を介して核内へと局在を変えることが明らかとなった。一方で、我々はPD-L1がp300によるアセチル化とHDAC2による脱アセチル化を受けることを見出した。そして、HDAC2によるPD-L1の脱アセチル化はPD-L1の核内移行の制御因子との結合を可能とし核内移行を促すことを明らかにした。また、HDAC2阻害剤を細胞に処理すると核内移行が抑制されることを明らかにした。マウスを用いた解析では、HDAC2阻害剤を抗PD-1治療薬と共に投与することで、抗PD-1治療薬による抗腫瘍効果が認められた。
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