2018 Fiscal Year Annual Research Report
転移性脳腫瘍に対する多段階連続照射と最適な線量投与方法の開発
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18H06161
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丹羽 恵 (宇藤恵) 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (20826028)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 脳転移 / 定位放射線治療 / 多段階連続照射法 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性脳腫瘍に関する情報収集と並行して、どのような照射法を組み合わせ多段階連続照射法を作成するか、またどのような分割回数が適切であるかを検討するため、まずは定位放射線治療(stereotactic radiotherapy: SRT)期間中の腫瘍の変化に関する解析が必要と判断し、当施設でSRTを施行された症例を解析した。 当施設でSRTを実施された症例のうち、SRT期間中に再計画の必要性を検討するため中間評価用の造影MRIを撮影された症例を対象とし、転移性脳腫瘍の治療中変化を解析した。その結果、全体の37%の病変において中間評価用MRIでの腫瘍体積がSRT前の体積と比べ20%以上増減していることが明らかとなった。中間評価用の造影MRIが撮影された時期を踏まえ、治療中体積変化に伴う線量の過不足のリスクを軽減するため、短期間で照射を完遂できる3分割照射が妥当だと考えられた。 次に放射線生物学における直線-二次曲線(Linear quadratic: LQ)モデルを用いて3分割における最適な処方線量を検討した結果、辺縁処方24Gy/3分割が妥当であると考えられた。たとえ3分割照射であってもSRT期間中に腫瘍体積が変化する可能性があるため、1回目は高線量集中照射を実施し、2回目は高線量集中照射と均一照射の中間となるような照射を、3回目は均一照射を用いる多段階連続照射24Gy/3分割が新たな多段階連続照射法・線量分割の試験案として見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は多段階連続照射法と線量分割の試験案を見出したが、研究の過程においてSRT期間中の変化を解析し、中間評価MRI撮影時期や腫瘍変化の評価方法について新たに検討する必要性が生じたため、治療計画装置を用いた線量分布図の評価にまで至らず、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、本研究に関連する情報収集を継続すると共に、多段階連続照射24Gy/3分割の試験案と同一の照射法を連日用いる従来法24Gy/3分割の線量分布を、治療計画装置を用いて作成し比較検討する。腫瘍辺縁における線量勾配や、腫瘍内の線量均一性に関しては高線量集中照射、均一照射、またその中間の照射法など様々なパターンが想定されるため、試験案に加え複数のパターンを作成・検討し、最適と考えられる多段階連続照射法を立案する。 最適と考えられる多段階連続照射法を立案した後に、最適と考えられる多段階連続照射法と従来法の線量分布を統計学的に評価し、多段階連続照射法の有用性を検証する。多段階連続照射法の線量分布上の有用性が明らかとなった際は、実臨床における多段階連続照射法の有用性を検証するため、前向き臨床試験の立案に着手する。
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Research Products
(3 results)