2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of KDM5A in multiple myeloma
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18H06167
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大口 裕人 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (70451557)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / エピゲノム / ヒストン修飾 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、KDM5Aが骨髄腫細胞増殖を制御する分子機序を明らかにし、さらにKDM5Aを新規治療標的として提示することを目的とする。その目標に向けて、当該年度は①KDM5Aが骨髄腫細胞増殖を促す分子機序の解明、②多発性骨髄腫における新規KDM5A阻害剤の有効性の検証のため以下の研究を行った。①KDM5Aが骨髄腫細胞増殖を促す分子機序の解明 骨髄腫細胞においてKDM5Aが制御する遺伝子群を明らかにするため、骨髄腫細胞株をKDM5A阻害剤で処理後、RNA-seqによりトランスクリプトーム解析を行った。さらにGene Set Enrichment Analysisを行い、KDM5AがMYC標的遺伝子を制御していることを見出した。また同時に、KDM5A、H3K4me3抗体を用いたChIP-seqを行い、KDM5A が結合している領域、そしてKDM5AによりH3K4me3が直接影響を受けている領域を見出した。興味深いことにKDM5AはMYC標的遺伝子上にMYCとともに共局在していることを見出した。MYCは多発性骨髄腫の病態において重要な遺伝子であり、その共役因子としてKDM5Aを同定できたことは今後の新規骨髄腫治療法開発に繋がると考えられる。 ②多発性骨髄腫における新規KDM5A阻害剤の有効性の検証 骨髄微小環境は骨髄腫細胞維持に重要な役割を果たしている。本研究では、骨髄微小環境に存在し骨髄腫細胞増殖や薬剤耐性に関わるサイトカインIL6、骨髄間質細胞存在下でも新規KDM5A阻害剤が骨髄腫細胞増殖抑止効果を示すことを見出した。この結果は、KDM5A阻害剤が新規骨髄腫治療薬になり得る可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに次世代シークエンサーを走らせ、KDM5A阻害剤の骨髄腫細胞増殖抑止効果の分子機序の一端を明らかにすることができた。また、新規KDM5A阻害剤の効果をin vitroで検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度でKDM5AがMYC標的遺伝子を制御することが示されたが、その詳細な遺伝子発現制御機構については不明である。今後、KDM5AがMYC標的遺伝子を制御する機序を既存のChIP-seqデータベースも用いながら検証する。 新規KDM5A阻害剤の効果をin vitroゼノグラフトモデルで検証する。
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