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2018 Fiscal Year Annual Research Report

IL-26を標的とした新規癌転移制御療法の確立

Research Project

Project/Area Number 18H06169
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

伊藤 匠  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (80811835)

Project Period (FY) 2018-08-24 – 2020-03-31
KeywordsTh17 / IL-26 / 癌転移 / 炎症性サイトカイン / 上皮間葉転換
Outline of Annual Research Achievements

近年、悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬の臨床応用が急速に進展したことから癌微小環境に浸潤する免疫細胞と癌の相互作用が注目されてきた。中でも、自己免疫疾患で中心的な役割を担っているTh17細胞が腫瘍の増大を抑制あるいは亢進するという相反する報告がされており、特に癌微小環境での役割は不明な点が多い。申請者はTh17細胞が産生するIL-26が炎症部位に血管新生を強力に誘導することを明らかにした。また、癌においてはIL-26がメラノーマ細胞の上皮間葉移行やリンパ管新生を誘導する可能性を示唆する予備データを得ている。
そこで、ヒトIL-26トランスジェニック(hIL-26Tg)マウスを用いてマウスメラノーマ細胞株のB16F10-Lucを移植し、3週後に皮下の腫瘍をリセクトして上皮間葉転換マーカー(E-cadherin, Vimentin, N-cadherin)のmRNA発現レベルならびにタンパク発現レベルを解析した。その結果、hIL-26Tgマウスの腫瘍はE-cadherinの発現低下、VimentinおよびN-cadherinの発現亢進が見られ、上皮間葉転換が誘導されている可能性が示唆された。
さらに、hIL-26Tgマウス及び野生型マウスからリセクトした腫瘍を野生型マウスの尾静脈から投与し、転移モデルを作製したところ、野生型で得られた腫瘍よりもhIL-26Tg由来のがん細胞は顕著に肺の転移巣を形成し、わずか1週間で肺に生着していることが明らかになった。
また、in vitroではマウス及びヒトのメラノーマをIL-26刺激するとin vivoで得られた結果と同様に上皮間葉転換マーカーの動態変化がみられた。今後はIL-26が上皮間葉転換誘導転写因子の発現を亢進するシグナル経路や、上皮間葉転換を誘導するキー分子の同定を試みる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Th17細胞が腫瘍の増大を抑制あるいは亢進するという相反する報告がされており、特に癌微小環境での役割は不明な点が多い。申請者はTh17細胞が産生するIL-26が炎症部位に血管新生を強力に誘導することを明らかにした。また、癌においてはIL-26がメラノーマ細胞の上皮間葉移行やリンパ管新生を誘導する可能性を示唆する予備データを得ている。
そこで、ヒトIL-26トランスジェニック(hIL-26Tg)マウスを用いてマウスメラノーマ細胞株のB16F10-Lucを移植し、3週後に皮下の腫瘍をリセクトして上皮間葉転換マーカーのmRNA発現レベルならびにタンパク発現レベルを解析したところ、hIL-26Tgマウスの腫瘍はE-cadherinの発現低下、VimentinおよびN-cadherinの発現亢進が見られ、上皮間葉転換が誘導されている可能性が示唆された。
さらに、hIL-26Tgマウス及び野生型マウスからリセクトした腫瘍を野生型マウスの尾静脈から投与し、転移モデルを作製したところ、野生型で得られた腫瘍よりもhIL-26Tg由来のがん細胞は顕著に肺の転移巣を形成し、わずか1週間で肺に生着していることが明らかになり、IL-26の高転移能を評価する転移モデルの作成に成功した。
また、in vitroではマウス及びヒトのメラノーマをIL-26刺激するとin vivoで得られた結果と同様に上皮間葉転換マーカーの動態変化がみられた。現在はIL-26が上皮間葉転換誘導転写因子の発現を亢進するシグナル経路や、上皮間葉転換を誘導するキー分子の同定を試みている。
これらと並行してメラノーマだけでなく、乳がんや他の癌でのIL-26刺激応答についても転移能を亢進するか否か調査を進めている。

Strategy for Future Research Activity

昨年度に引き続き、癌微小環境におけるIL-26産生細胞やIL-26依存性機能の分析や悪性黒色腫に対するIL-26を標的とした抗体治療法の有効性と作用点解析を進めながら、IL-26中和抗体の転移抑制効果を検討する。
また、IL-26が上皮間葉転換誘導転写因子の発現を亢進するシグナル経路や、上皮間葉転換を誘導するキー分子の同定を進める。さらに、メラノーマだけでなく、乳がんや他の癌でのIL-26刺激応答についても転移能を亢進するか否か調査を進めていく。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018 Other

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Biological Effects of IL-26 on T Cell-Mediated Skin Inflammation, Including Psoriasis.2019

    • Author(s)
      Itoh T, Hatano R, Komiya E, Otsuka H, Narita Y, Aune TM, Dang NH, Matsuoka S, Naito H, Tominaga M, Takamori K, Morimoto C, Ohnuma K
    • Journal Title

      The Journal of investigative dermatology

      Volume: 139 Pages: 878-889

    • DOI

      10.1016/j.jid.2018.09.037

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Presentation] 加齢皮膚で誘発される機械的かゆみ調節機構の解明2019

    • Author(s)
      古宮 栄利子,冨永光俊, 波多野良, 伊藤匠, 大塚春奈, 本田耕太郎, 外山扇雅, 鎌田弥生, 大沼圭, 森本幾夫, 高森建二
    • Organizer
      第15回加齢皮膚医学研究会
  • [Presentation] 機械的かゆみの調節メカニズムの解明2018

    • Author(s)
      古宮 栄利子, 波多野良, 大塚春奈, 伊藤匠, 松田浩則, 須賀康, 大沼圭, 冨永光俊, 森本幾夫, 髙森建二
    • Organizer
      第82回日本皮膚科学会東京支部
  • [Remarks] 乾癬などの炎症性皮膚疾患が悪化するメカニズムを解明

    • URL

      https://www.juntendo.ac.jp/news/20190417-01.html

URL: 

Published: 2019-12-27  

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