2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K21278
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
伊藤 匠 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (80811835)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | Th17 / 腫瘍免疫 / 炎症性サイトカイン / 癌微小環境 / IL-26 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、免疫チェックポイント阻害薬の登場は癌免疫の関心を非常に高めており、癌微小環境に浸潤する免疫細胞と癌の相互作用が注目されてきた。 中でも、自己免疫疾患など様々な炎症性疾患に関与するTh17細胞は多くの癌種で浸潤が認められており、注目されているが、癌微小環境での役割は不明な点が多い。申請者はTh17細胞が産生するIL-26が炎症部位に血管新生を強力に誘導することを明らかにした。また、癌においてはIL-26がメラノーマ細胞の上皮間葉移行やリンパ管新生を誘導する可能性を示唆する予備データを得ている。 そこで、ヒトIL-26トランスジェニック(hIL-26Tg)マウスを用いた担癌モデルを作製し、微小環境中におけるIL-26の役割を調査した。本研究では、hIL-26Tgマウスにマウスメラノーマ細胞株のB16F10-Lucを移植し、野生型と比較してhIL-26Tgマウスの腫瘍では上皮間葉転換が誘導される可能性を見出した。 さらに、hIL-26Tgマウス及び野生型マウスからリセクトした腫瘍を野生型マウスの尾静脈から投与し、転移モデルを作製したところ、野生型で得られた腫瘍より もhIL-26Tg由来のがん細胞は顕著に肺の転移巣を形成し、わずか1週間で肺に生着していることが明らかになり、IL-26は高転移能を獲得させる因子である可能性が示唆された。 また、in vitroではメラノーマの他に乳癌などの細胞株をIL-26刺激するとin vivoで得られた結果と同様に上皮間葉転換マーカーの動態変化がみられた。さらに、IL-26が 上皮間葉転換誘導転写因子の発現を亢進するシグナル経路としてMAPKシグナルの活性化を見出し、このシグナルの活性化が薬剤耐性に関与する可能性が明らかになった。現在、上皮間葉転換およびMAPKシグナル活性化を誘導するキー分子の同定を解析中である。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
[Presentation] Possible regulation of mechanical itch by CD26/DPPIV2019
Author(s)
古宮 栄利子, 波多野良, 伊藤匠, 大塚春奈, 鎌田弥生, 本田耕太郎, 外山扇雅, カタリナサギタモニアガ, 大沼圭, 冨永光俊, 森本幾夫, 高森建二
Organizer
10th World Congress on Itch (WCI)
Int'l Joint Research
-
[Presentation] Possible role for CD26/DPPIV in regulating mechanical itch (Alloknesis)2019
Author(s)
古宮 栄利子, 波多野良, 伊藤匠, 大塚春奈, 鎌田弥生, 本田耕太郎, 外山扇雅, カタリナサギタモニアガ, 大沼圭, 冨永光俊, 森本幾夫, 高森建二
Organizer
28th European Academy of Dermatology and Venereology (EADV) Congress
Int'l Joint Research
-
[Presentation] CD26/ dipeptidyl-peptidase IVは機械的かゆみの抑制因子である2019
Author(s)
古宮 栄利子, 波多野良, 冨永光俊, 伊藤匠, 鎌田弥生, 本田耕太郎, 外山扇雅, カタリナサギタモニアガ, 大沼圭, 森本幾夫, 高森建二
Organizer
日本病態プロテアーゼ学会
-