2019 Fiscal Year Annual Research Report
光線免疫療法の消化器腫瘍への応用にむけた基礎的検討
Project/Area Number |
19K21283
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
長屋 匡信 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (00718033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | NIR-PIT / 消化器腫瘍 / 内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
NIR-PITは蛍光色素をつけた分子標的剤を静脈注射で投与したあとに標的腫瘍に近赤外光を当てる治療法のため、充実臓器より管腔臓器の表面に生じる癌に特に有効であると思われ、消化器領域への特に内視鏡を用いたNIR-PITの臨床応用を目指して研究を行った。研究者の施設におて多数の消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌など)の切除治療(内視鏡的切除、外科的切除)を行っており、症例のリストアップおよび蓄積を行い、実臨床における消化器腫瘍においてNIR-PITで標的し得る腫瘍特異抗原の発現状況につき検討を行った。既存のepidermal growth factor rceptor (EGFR)、human EGFR 2(HER2)以外の特定腫瘍抗原の検出には至らなかった。 内視鏡を用いたNIR-PITに必須となる蛍光内視鏡の開発については、オリンパス社、FUJIFILM社と協議した。臨床用の蛍光内視鏡開発はいくつかの問題点があるものの、オリンパス社において、小動物実験用の蛍光内視鏡の開発および改良が行われており、この試作機を用いた動物実験の結果として、蛍光内視鏡を用い、内視鏡の鉗子孔を通すことが可能なLight Diffuserを用いた胃癌腹膜播種に対するNIR-PITの有効性の検証結果をまとめ報告した。 さらに、消化器腫瘍に対するNIR-PITの臨床応用をめざして、今までの研究データを中心に国内外の様々な学会にて発表・報告を行った。日本消化管学会で報告した「消化管癌に対する近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)の応用をめざして」の演題は優秀演題として評価され、消化管学会英文誌である「Digestion」に掲載予定である。また本年開催の日本消化器病学会総会でも報告予定であり、消化器領域におけるNIR-PITの実現にむけて動いている。
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Research Products
(4 results)