2018 Fiscal Year Annual Research Report
メタルナノ粒子を吸着した薬剤溶出性ビーズによる新規放射線増感療法の基礎的検討
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18H06179
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪田 光 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60824208)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 過酸化チタンナノ粒子 / 薬剤溶出性ビーズ / ヘパスフィア / 放射線増感剤 / ROS / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では薬剤溶出性ビーズ(ヘパスフィア)をメタルナノ粒子製剤のデリバリーシステムとした新しい放射線増感療法の開発を行う。メタルナノ粒子に関しては我々のグループが国際特許を取得している(特許2010-032055、PTC/JP2011/53348)過酸化チタンナノ粒子を主に用いる。過酸化チタンナノ粒子はX線照射によって大量のヒドロキシラジカルを発生し、有望な放射線増感剤と考えられるが、ドラッグデリバリーに問題を抱えている。 研究予定は以下のとおりである:① 過酸化チタンナトリウム粒子とヘパスフィアの吸着確認、② Cell-free系でのROS産生の評価、③ In vitroでの過酸化チタンナノ粒子の細胞内取り込みと放射線増感の評価、④In vivoでの過酸化チタンナノ粒子含浸ヘパスフィア動注による過酸化チタンナノ粒子の体内分布確認と放射線増感の評価。 2018年度の研究実績としては③ In vitroでの過酸化チタンナノ粒子の細胞内取り込みに関しての治験を得た。MIAPaCa-2細胞と蛍光標識したチタンナノ粒子を共培し、両者が混在することでがん細胞内にチタンナノ粒子が取り込まれることが明らかとなった。なお、チタンナノ粒子の取り込みをより増強する方法も同時に検討したが、現時点では取り込み増強について有望な方法に関する知見は得られていない。その他、①に関しては現在その実験プロトコールの改善を図っている。④に関してはIVR手技を担当する研究分担者と動注方法や動物モデルに関しての選定について検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
③ In vitroでの過酸化チタンナノ粒子の細胞内取り込みに関しては一定の実験結果を得られている。しかし、過酸化チタンナトリウム粒子とヘパスフィアの吸着徐放に関する最適な測定方法に関して文献調査等を行っており、実験プロトコールを作成段階である。ヘパスフィアは高額な医療材料であるため、まずは実験プロトコールの最適化や各種予備実験を優先して行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査はおおむね完了しており、実験プロトコールを作成後には直ちに実験を開始できる。チタンナノ粒子の吸着に関して良好な結果が得られない場合は、他のメタルナノ粒子を検討する予定である。具体的に、有望なメタルナノ粒子としては金ナノ粒子を検討している。 In vivo実験に関して動注方法や動物モデル、チタンナノ粒子の体内分布測定方法についての更なる検討を同時並行で行うよう、次年度の計画に組み入れた。研究推進のため各分野に精通した神戸大学工学部や医学部IVR科の研究者にも協力、助言を依頼する。
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Research Products
(9 results)