2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of resistance mechanisms to PARP inhibitor and development of effective treatments against PARP inhibitor resistance
Project/Area Number |
18H06181
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 由香 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 特任研究員 (50823332)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | PARP阻害剤 / 抗がん剤耐性 / poly(ADP-ribose) / PARP |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリ(ADP-リボース)合成酵素(PARP)阻害剤は、DNA修復に関わるBRCA1及びBRCA2に変異を有する卵巣がん、乳がんに特異的に致死を誘導する合成致死性抗がん剤として開発された。正常細胞ではなく、BRCA1/2に変異を持つがんに対して特異的に致死を誘導し、副作用が少ない抗がん剤として期待されているが、本抗がん剤の耐性機構は未だ詳細に解析されていない。本申請課題では、PARP阻害剤耐性に関わる因子を同定し、その耐性機構を解明することを目的として研究を行った。申請者らは、以前、shRNAライブラリーを導入したT-Rex HeLa細胞株をPARP阻害剤で処理することにより、多数の耐性候補遺伝子が検出されることを見出した。本研究では、TCGAデータベースより乳がん患者において遺伝子欠失およびミスセンス変異が認められる2遺伝子に着目した。これら耐性候補遺伝子のsiRNAを複数種類合成し、T-REx HeLa細胞においてトランスフェクションし、PARP阻害剤感受性を調べた結果、1遺伝子はsiRNA導入により致死となり、もう1遺伝子については、PARP阻害剤耐性を誘導しないことが分かった。本年度、申請者らはPARP1の機能阻害がmiRNAの発現制御を介して、細胞増殖抑制に関与することを報告しており、PARP阻害剤の耐性原因が、既報のDNA修復経路の機能回復以外にある可能性を示す結果であった。そこで、別法で、新規耐性因子を同定するために、PARP阻害剤耐性株の単離を試みたが、本年度はPARP阻害剤に対して強く耐性を誘導する株は単離できなかった。来年度は、耐性株単離のための手法を見直し、新たにPARP阻害剤耐性株の単離を行い、PARP阻害剤耐性因子を同定するための遺伝子発現解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度にPARP阻害剤耐性株を単離するつもりであったが、PARP阻害剤の濃度設定が難しく、また、処理方法に問題があったため、耐性株を単離できなかった。また、これまでに行った遺伝子発現解析の結果から着目した耐性候補遺伝子のvalidationを行った結果、着目した遺伝子が耐性誘導遺伝子でないことが判明したため、この評価を選択した。
|
Strategy for Future Research Activity |
PARP阻害剤耐性株の単離方法を見直し、新たにPARP阻害剤耐性株の単離を行う。また、得られた耐性株を用いて、遺伝子発現解析を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)