2020 Fiscal Year Annual Research Report
DLL3関連大腸癌における新規創薬開発を目指した基盤構築研究
Project/Area Number |
19K21291
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
濱元 宏喜 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60825818)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | DLL3 / 大腸癌 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
Notch受容体抑制型リガンドであるDelta-like3(DLL3)は、The Cancer Genomic Atlas (TCGA) では、大腸癌のDLL3発現は正常粘膜と比較して1.74倍発現増強しており、また先行研究で、大腸癌においてDLL3の抗アポトーシス効果への関与を示唆する結果を得ていたため、大腸癌におけるDLL3の機能解析を行い、DLL3抗体薬剤複合体 (Rova-T)の大腸癌治療への可能性を検討することを目的に研究を施行した。 当初の計画通り、まずは大腸癌臨床検体を用いて。DLL3免疫染色を施行したが、臨床検体において腫瘍部と非腫瘍部のDLL3発現に差が認められず、染色条件を変更しても、有意な結果が得られなかった。臨床検体を用いてDLL3発現に関する検討は計画通りにすすまなかったため、DLL3とアポトーシスとの関連について大腸癌細胞株を用いて検討を行うこととした。大腸癌細胞株(SW480)において、SiRNA2種類によるノックダウンを行い、細胞生存率をMTT assayで検討すると、細胞生存率が有意に低下することが確認されたが、Hoechst染色でアポトーシスによる細胞死がはっきりと同定できなかった。 DLL3に関する付随研究として、臨床検体を用いた正常消化管において内分泌細胞においてDLL3が強発現をすることをクロモグラニンAとの染色の比較において確認し、またウエスタンブロッティング法、RT-PCRでも実際に強発現していることを確認した。また神経内分泌腫瘍細胞株において、DLL3をノックダウンすることで、増殖抑制が認められることを共同研究者として確認した。
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