2019 Fiscal Year Annual Research Report
コリン性抗炎症経路における免疫細胞活性化機序の解明
Project/Area Number |
19K21297
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 剛 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30821665)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腎臓 / 迷走神経刺激 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
コリン性抗炎症経路(迷走神経刺激によって誘導される抗炎症経路)活性化に関わる重要な因子(遺伝子)を新規に同定するために,野生型マウスおよびα7 ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)ノックアウトマウスからマクロファージを単離し,ニコチン投与(アセチルコリン受容体アゴニスト)を行うことで,コリン性抗炎症経路の活性化を模倣し,遺伝子発現の網羅的解析(RNA-seq)を行った.得られた結果より,候補の遺伝子の発現調節(過剰発現および発現抑制)を行い, Hes1(hairy and enhancer of split 1)遺伝子がα7nAChRの下流遺伝子であることを同定した.実際,Hes1遺伝子の過剰発現マクロファージの移入によって腎臓が保護されることを確認している. また,腎障害モデルとして臨床的にも非常に重要なシスプラチン腎症モデル(抗癌剤による腎症モデル)を用いて,腎障害後の迷走神経刺激の効果についても評価を行なった.その結果,シスプラチン投与後でも迷走神経刺激により腎保護効果を認め、その保護効果発揮には,マクロファージ遊走に関わるケモカインであるCCL2が関与していることが明らかとなった.
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Research Products
(13 results)