2018 Fiscal Year Annual Research Report
Vascular dementia: for establishing clinicopathologic diagnostic criteria for small vessel disease
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18H06211
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 理恵 新潟大学, 脳研究所, 助教 (80829078)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 脳小血管病 / 脳血管性認知症 / 診断基準 / 3Dイメージング / 組織透明化 / Binswanger病 / CADASIL / CARASIL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では純粋な脳小血管病(SVD)を有するヒト疾患脳に対して従来の薄切片における病理学的解析と,組織透明化による高解像度3D病理学的解析手法を用いて,認知症の原因となる白質変性の発生機序解明を試みることを目的とする.本年度は,脳小血管病の剖検脳を用い,まず免疫染色を用いた詳細な2D解析を行った。結果,SVDの白質変性においては軸索よりも髄鞘脱落が先行すること,arterioleを中心として変性が広がることを明らかにした.次に,ヒト脳剖検サンプルの3D蛍光イメージングを実施するため、透 明化後の褐色状の自家蛍光の抑制,脱脂の迅速化に取り組み,新規プロトコールを開発した(Inoue, Saito, Kakita, Tainaka, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, in press).処理後の組織は、グリア細胞や髄鞘、血管、軸索に加えて、老人班やリン酸化タウ、リン酸化シヌクレインといった病変マーカーの抗原性が高度に維持されていることを確認した。次年度は,2D解析を行った部位の血管の配向,平滑筋脱落部位などを3D解析で明らかにする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 本研究は,SVDの白質変性機序を,従来の2D 解析と新しい透明化手法を用いた3D解析を組み合わせて行うことを目的としている.今年度では2D解析を行う上で必要な定量化方法を確立し,3D解析に必要な技術基盤の開発も進展し,ヒト組織で応用できる体制が整った.以上により,本研究課題はおおむね順調に進展していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,透明化後のヒト組織における抗体の均一な浸透性,正確な染色像が得られているかの検証が必要である.次に,新手法における血管の3次元的配向や分枝などをコントロールサンプルで解析し,正常での解剖学的基盤を明らかにする.そのうえで,コントロールサンプルと比較しながら疾患脳の解析を行う.
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