2019 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性を基盤とする心血管病における受容体結合因子の病態生理学的意義
Project/Area Number |
19K21318
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大城 光二 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (60828713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高血圧 / アンジオテンシン受容体 / 尿細管 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1型アンジオテンシンII(Ang II)受容体(AT1受容体)の過剰活性化は、高血圧・脂質異常症・糖尿病の発症・進展に関わる。ATRAP(AT1 receptor-associated protein)はAT1受容体の過剰活性化を抑制する内在性分子である。本研究では、「組織局所でのATRAPの発現あるいは活性が、高血圧・脂質異常症・糖尿病の発症・進展に関与し、ATRAPの発現制御により高血圧・脂質異常症・糖尿病を制御できる」との仮説を検証するために遂行された。 Cre-LoxPシステムにより、近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスを作製した。作成した近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスでは、野生型マウスと比較して、近位尿細管におけるATRAP mRNA発現量は約80%減少を認めた。一方、遠位尿細管におけるATRAP発現量は、近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスと野生型マウスで同等であった。次に近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスおよび対照野生型マウスに、慢性アンジオテンシンII(Ang II)刺激を行い、血圧および心腎障害に与える影響を検討した。近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスでは、Ang II慢性持続投与による血圧上昇は野生型マウスと同等であった。さらに、Ang II刺激による心肥大反応は、近位尿細管特異的ATRAP欠損マウスと野生型マウスで同等であった。一方、近位尿細管特異的ATRAP欠損マウス、野生型マウスともにAng II刺激により明らかな腎障害は認めなかった。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 腎近位尿細管AT1受容体結合因子がアンジオテンシン依存性高血圧に及ぼす影響(Effects of AT1 Receptor-Associated Protein in Renal Proximal Tubules on Angiotensin II-Mediated Hypertension)2019
Author(s)
金口 翔, 涌井 広道, 小豆島 健護, 春原 浩太郎, 高口 知之, 大城 光二, 畝田 一司, 白 善雅, 山地 孝拡, 山田 貴之, 小林 竜, 石上 友章, 山下 暁朗, 藤川 哲也, 田村 功一
Organizer
第42回日本高血圧学会総会
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[Presentation] 横浜市立大学附属病院腎臓・高血圧内科における入院患者データベース構築の取り組み2019
Author(s)
金岡 知彦, 大上 尚仁, 平塚 梨奈, 春原 須美玲, 角田 剛一朗, 花岡 正哲, 金口 翔, 大城 光二, 畝田 一司, 小林 竜, 涌井 広道, 戸谷 義幸, 田村 功一
Organizer
第8回臨床高血圧フォーラム
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[Presentation] 迅速ACTH負荷試験により診断に至った原発性アルドステロン症の1例2019
Author(s)
竹之内 陽子, 大城 光二, 大上 尚仁, 平塚 梨奈, 春原 須美玲, 花岡 正哲, 小林 竜, 畝田 一司, 金岡 知彦, 涌井 広道, 戸谷 義幸, 田村 功一
Organizer
第8回臨床高血圧フォーラム