2020 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性ラクナ梗塞患者におけるNOTCH3遺伝子変異の解析
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19K21321
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
鷲田 和夫 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (60467488)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CADASIL / NOTCH3 / R75P遺伝子変異 / ラクナ梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CADASIL (Cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)はNOTCH3遺伝子変異により生じる代表的な遺伝性脳小血管病である。CADASIL患者では大脳白質病変が徐々に進行し、中年期からラクナ梗塞を繰り返し、徐々に認知症や運動機能障害が進行する。遺伝性脳小血管病では最も頻度の高い疾患で、欧州では10万人あたり4-15人の患者が存在するとされている。しかしながら近年、NOTCH3遺伝子変異が示された症例でもCADASILに典型的な臨床徴候を示さない例が存在することが明らかになってきた。 NOTCH3遺伝子変異は予想以上に多く、潜在的CADASIL症例が多く存在する可能性がある。 ラクナ梗塞で入院となった症例におけるNOTCH3遺伝子変異の頻度を解析した。 2011年1月~2018年4月にラクナ梗塞の診断で国立循環器病研究センターに入院し、バイオバンクに血液検体を提供した全292例の内、非典型的で、遺伝性脳小血管病である可能性が高いと考えられる①60歳未満の若年発症および、②高血圧がないにも関わらず中等度以上の白質病変を有するラクナ梗塞患者に対象を絞ってNOTCH3遺伝子変異を解析した結果、85名のうち3名 (3.5%)にNOTCH3 R75P遺伝子変異を認めた。これは日本人一般の保有率と比べオッズ比が58.2と非常に高い結果であり、CADASILが予想以上にラクナ梗塞発症に関与している可能性を強く示唆した
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Research Products
(2 results)