2018 Fiscal Year Annual Research Report
心疾患患者に対する早期離床,日常生活動作改善を目指したリハビリテーション法の開発
Project/Area Number |
18H06220
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
山本 壱弥 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 理学療法士 (80828559)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 腰HAL / 早期離床 / リハビリテーション / 日常生活動作 / 心疾患患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
HAL腰タイプ(腰HAL)を用いたリハビリテーション(リハビリ)は,当センターでの倫理委員会承認後の2018年10月より患者登録を開始。対象は,心臓血管内科からリハビリ依頼があった心疾患患者のうち,①自力での立ち座り動作が困難な高度デコンディショニング症例,②要支援/要介護1~3 取得者,③入院前の日常生活動作が屋内歩行レベル,のいずれかを満たす症例。現在までの患者登録件数は16名であり,平均リハビリ実施日数は,11±7日であった。 対象患者は,歩行運動に加え,腰HALを用いた立ち上がり運動・スクワット運動を訓練室にて実施。なお,腰HAL実施時のアシスト機能設定は,各運動が自覚的運動強度(Borg Scale)で11~12程度になるように設定。主要評価項目は,簡易身体能力バッテリー(Short Physical Performance Battery:SPPB),下肢筋力(等尺性膝伸展筋力),および6分間歩行テスト(6MWT)とし,訓練室でのリハビリ開始時と退院時に測定した。 SPPBは介入前後で7.0→9.1点と有意に改善(p=0.001)。一方,下肢筋力および6MWTは,介入前後でそれぞれ16.1→16.6 kgf(p=0.154),249→297 m(p=0.137)と有意差は認められなかった。今回はsmall sample sizeでの解析であり,統計学的な検出力不足が影響していることも考えられるため,下肢筋力と6MWTに関しては必要症例数を確保しての再検定が必要である。 以上の結果より,高度デコンディショニングを呈する心不全患者に対する腰HALを用いたリハビリは,有害事象の発生なく身体機能を改善する可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国立循環器病研究センター倫理委員会の承認を受けたのが2018年10月であった。そのため,患者登録開始が遅れ,登録件数が不十分な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,腰HAL実施回数の違いによる主要評価項目への影響を除外するため,腰HALでのリハビリに鋭敏に反応しうるSPPBに関しては,初回および退院時での測定に加え,腰HAL実施5回ごとに評価していく方針。さらに,これまで腰HALフルサポートであった立ち上がり運動・スクワット運動は,デコンディショニングが改善傾向にあると思われる症例に対しては,自力での立ち上がり運動・スクワット運動に移行し,フルサポート患者との主要評価項目改善効果を比較検討予定。
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