2019 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内浸潤リンパ球の遊走・活性化に関わる新規Gタンパク質共役型受容体の探索
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19K21325
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
住田 隼一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30609706)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腫瘍内浸潤リンパ球 / Gタンパク質共役型受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌治療の領域において、免疫チェックポイント阻害薬の有効性が明らかとなったこともあり、癌病態における免疫担当細胞の役割が注目されている。そこで、今回、癌細胞に対して細胞傷害活性を持つCD8陽性の腫瘍内浸潤リンパ球(Tumor-infiltrationg lymphocyte;TIL)に注目した解析を実施し、継続している。本研究では、マウス皮膚にメラノーマ細胞株やリンパ腫細胞株などの腫瘍細胞を移植し、腫瘍が形成されること、また、腫瘍内にTILが存在することを組織学的に、あるいはフローサイトメトリー等により確認した。そこで、これらTILの浸潤や機能に重要と思われるGタンパク質共役型受容体について発現の局在等の検討を行い、その機能解析を継続している。本研究では、受容体のみならず、そのリガンドや関連分子にも注目し、具体的な癌病態における役割について包括的に理解したいと考えている。本研究では、複数の細胞株を移植する実験を行っているため、得られた結果に癌種特異性がみられるかについても幅広く検討している。悪性腫瘍に対する治療は、近年進歩したが、依然として不応例、晩期再発、耐性獲得など解決すべき問題も多い。腫瘍免疫におけるTILの重要性はこれまでの知見から明らかであるが、TILが腫瘍内に浸潤するメカニズム、さらには、活性化の制御機構等について、わかっていないことが多い。そこで、本研究により詳細な機序が明らかにでき、結果を新規治療開発に繋げることができれば、抗腫瘍効果をもつ免疫担当細胞の腫瘍組織への集積性改善や治療効果の向上につながることが期待される。
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