2019 Fiscal Year Annual Research Report
Neuromedin B receptor antagonist as a new treatment for Cushing disease
Project/Area Number |
19K21329
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀田 啓 北海道大学, 大学病院, 助教 (20826127)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クッシング病 / 下垂体腫瘍 / 副腎皮質刺激ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度から2019年度にかけてニューロメジンB(NMB)受容体拮抗薬のPomc発現抑制ならびに細胞増殖抑制効果の作用機序の解明としてAtT20細胞にNMB受容体拮抗薬であるPD168368を投与する実験を行った。リアルタイムPCR法、ウェスタンブロット法での解析からPD168368はPomc遺伝子・蛋白の発現を抑制し、細胞内シグナルとしてはcFos、Nurr77、pERK、pCREBなどの転写因子の発現を抑制することが判明した。それらの転写因子は既知のCRH受容体やEGFRの下流シグナルでありそれらの受容体との関連を今後検討する予定である。 NMB受容体拮抗薬のクッシング病モデルマウスへの投与による生体内効果の確認として米国Cedars-Sinai Medical CenterよりCorti-hEGFRマウスを取り寄せ繁殖を試みた。取り寄せの手続きに時間を要したが、2018年度中にマウスを入手でき、2019年度に繁殖は成功しマウスは実験に必要な数を用意できた。表現型の発現のため8ヶ月間の飼育を要するため、現在表現型の発現を待っている。8ヶ月経過後にACTH・コルチコステロンの上昇などの表現型が確認できたマウスを用いてNMB受容体拮抗薬の投与実験を行う予定である。 NMB受容体拮抗薬のヒト下垂体腺腫における効果の検討として2018年度に前向き臨床研究計画を倫理委員会に提出し2018年度中に承認された。2019年度中にはクッシング病の手術症例がなかったが、対照として非機能性下垂体腺腫や成長ホルモン産生下垂体腺腫の症例で検体を入手し、下垂体腺腫の初代培養ならびに薬剤投与実験を行った。腺腫細胞の培養、培地やRNAの採取は問題なく行うことができ、ACTH産生下垂体腺腫においても問題なく遂行できることが確認できた。
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