2018 Fiscal Year Annual Research Report
開放隅角緑内障におけるLMX1B遺伝子の希少変異探索
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18H06249
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 由己浩 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10623415)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 緑内障 / 希少変異 / ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本人開放隅角緑内障の発症に関与する遺伝素因を明らかとし、開放隅角緑内障の発症に対する個人の遺伝情報に基づいた医療の実現に貢献する。 本研究では、我々の行ったアジア最大のゲノムワイド関連解析(GWAS)によって選択された候補遺伝子の一つであるLIM Homeobox Transcription Factor 1 Beta (LMX1B ) 遺伝子に着目し、低頻度の多型を含めた希少変異と開放隅角緑内障の関連を検証することを目的とする。 東北大学関連病院および日本緑内障学会緑内障遺伝子研究班より収集された日本人開放隅角緑内障患者のDNAを用いて、LMX1B遺伝子の全8エクソンのダイレクトシークエンスを行い、希少変異を探索する。 低頻度の多型を含むLMX1B遺伝子の希少変異と日本人開放隅角緑内障との関連について徹底した解析を行う。今回の研究成果をもとに、GWASで同定された他の緑内障感受性遺伝子領域の関連遺伝子の探索研究を行い、開放隅角緑内障における遺伝子の役割をより明確にすることを最終的な目標とする。 LMX1B遺伝子の希少変異探索に先立ち、196名の家族歴が濃厚な原発開放隅角緑内障患者を対象に既知の緑内障原因遺伝であるMYOC, OPTNの変異, TBK1のCNVについて探索した。その結果、8つの希少変異およびTBK1のCNVが疑われる3家系を同定した。LMX1B遺伝子全8エクソンのプライマーの条件検討が終了しており、今後はLMX1B遺伝子の希少変異について探索を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開放隅角緑内障患者196名に対して、既知の緑内障原因遺伝子であるMyoclin遺伝子、Optineurin遺伝子、TBK1遺伝子の希少変異の有無についてダイレクトシークエンス法を用いてスクリーニングを行った。その結果、Myocilin遺伝子のエクソン内に5つ、Optineurin遺伝子のエクソン内に3つの希少変異が同定された。加えて、TBK遺伝子のcopy number variantの異常が疑われる3家系を同定した。LMX1B遺伝子全8エクソンのプライマーの条件検討が終了しており、研究は概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル数を増やし、LMX1B遺伝子を含めたエクソン内の希少変異探索を進めていく。認められた希少変異の病因としての意義について、ACMGガイドラインに則り検証を行って行くことを予定している。
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