2019 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞とオプトジェネティクスによる運動機能再建と横隔膜ペーシングへの応用
Project/Area Number |
19K21345
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐伯 将臣 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40822292)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 末梢神経再生 / iPS細胞 / オプトジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)光感受性チャネルロドプシン(ChR2(H134R))を発現するヒトiPS細胞由来運動ニューロンの作成 ヒトiPS細胞由来運動ニューロンに、レンチウイルスベクター(pLenti-Synapsin-hChR2(H134R)-EYFP-WPRE)を用いてChR2(H134R)を導入した。ヒトiPS細胞由来運動ニューロンでChR2(H134R)が発現していることを、免疫染色とWestern-blottingで確認した。青色光の照射により、ChR2(H134R)を導入した運動ニューロンにおいて活動電位が誘発されることを多電極アレイ(Multi electrode array:MEA)を用いて確認した。光刺激により低侵襲に、しかも細胞種特異的に刺激するという本研究の臨床応用に向けた課題において、光刺激により活動電位が誘発される運動ニューロンの作成は、重要性が高いと考える。 (2)ChR2発現ヒトiPS細胞由来ニューロンの末梢神経への移植による運動機能の再建 ラット坐骨神経切断モデルに、ChR2(H134R)を導入したヒトiPS細胞由来運動ニューロンを移植した。in vivo bioluminescence imaging(BLI)で移植細胞のイメージングを行い、細胞の生着を観察した。移植後12週の組織学的解析では、移植細胞の生着と移植細胞由来の軸索がラットの筋内で神経筋接合部を形成していることが確認され、電気刺激により、約半数の動物で筋収縮と筋活動電位が確認された。一方で、光刺激では十分な筋活動電位は観察されなかった。ヒトiPS細胞由来運動ニューロンの移植により脱神経筋の再支配が可能であることを示しており、重要な結果であると考えるChR2(H134R)を導入した運動ニューロンを移植し、光刺激による筋収縮を得るには更なる条件の検討が必要であると考える。
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