2019 Fiscal Year Annual Research Report
扁桃組織におけるmultifocalなヒトパピローマウイルス感染に関する研究
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19K21350
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 俊彦 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30822895)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒトパピローマウイルス(HPV) / 扁桃 / PCR / p16 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトパピローマウイルス(HPV)関連中咽頭癌の罹患扁桃以外の扁桃組織におけるHPV感染については、HPV同一プライマーで2回PCRを行って検出能を向上させるauto-nested PCRにて実験を行っていた。しかし、陰性対照のPCRにて予想されないバンドが出現したため、試薬や反応条件を改めて実験を行ったが、結果は変わらず、auto-nested PCRによる検出は困難であった。そこで代用の方法として、リアルタイムPCRを用いたHPV DNAの検出を試みている。扁桃組織から採取した検体からHPV DNAの定量的に測定し、プラスミドを標準サンプルとして作成した標準曲線と比較する。PCRによる検出が確立できるように実験を進めていく。また、標本採取・標本収集についても目標数まで達しておらず、他病院との連携も検討している。 非癌患者の摘出口蓋扁桃におけるHPV感染とp16発現については、PCRが困難であったため、非癌患者の摘出口蓋扁桃のp16免疫染色のみを行った。癌以外の疾患にて口蓋扁桃摘出術を行った79症例の口蓋扁桃に対してp16免疫染色を行った。男女比は男性39例、女性39例であり、年齢別では1~10歳:33例、11~20歳:14例.21~30歳:16例.31~40歳:6例、41~50歳:6例、51~60歳:2例、61~70歳:1例であった。手術診断は習慣性扁桃炎:25例、扁桃肥大:36例、病巣感染症:18例(IgA:14例、皮膚疾患:4例)であった。全ての検体でp16免疫染色は陰性であった。PCRによるHPV DNAの検出方法が確立したら、p16免疫染色した検体についてもPCRを行い、検出されるかどうか確認する予定である。
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