2021 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺未分化がん発生機構の解明と新たな治療選択の開拓
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19K21352
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 博史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20610421)
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Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2022-03-31
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Keywords | 甲状腺未分化がん / 未分化転化 / 多能性関連遺伝子 / 脱分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では悪性度が高く臨床的な重要度も高い甲状腺未分化がんの発生に対する脱分化の意義、多能性関連遺伝子群の発現状況について臨床検体を用いて検討した。未分化転化や高い悪性度のメカニズムが解明できれば、新たな治療に繋がる可能性があると考えた。患者手術検体からDNA, RNA,パラフィン切片、セルラインを樹立した。甲状腺未分化がんの臨床サンプル(病理組織)における多能性遺伝子群の発現状況を検討した。公共マイクロアレイのデータを改変しGenespring 遺伝子発現解析ソフトを用いて多能性細胞と甲状腺未分化癌の遺伝子発現状況を検討した。多能性関連タンパクの発現状況については、臨床病理サンプルに対し多能性関連遺伝子群の代替発現マーカーとして、SALL4, LIN28の免疫染色を行い検討した。 甲状腺未分化がんの臨床組織サンプルを合計16例集め、上記マーカーに加え増殖マーカーであるKi67, またMAPK 経路の活性化マーカーであるpERK 染色を行なった。16例中3例でSALL4の強発現を認め、またSALL4とpERK, Ki67染色は腫瘍内部で同様の位置に認められたことから、多能性関連遺伝子群の強発現に伴う脱分化に対応して細胞増殖が促進され、まさに未分化転化の原因となっている可能性が示唆された。また、公共マイクロアレイデータからは、甲状腺未分化がんとして登録されている症例のうち、過去に報告された多能性関連遺伝子群セットが有意に強発現している症例が70%程度で認められた。このことも多能性関連遺伝子の強発現に伴う未分化転化メカニズムを支持する結果であった。これらのデータを踏まえ、分化がんである甲状腺乳頭がんセルラインに積極的に脱分化を誘導するため、OCT3/4, SOX2, KLF4, c-MYC のいわゆる山中4因子を強制発現し、甲状腺未分化がんが誘導できるかどうかを現在検討中である。これらのデータを論文化し、2022年度中には投稿する予定としている。
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Research Products
(2 results)