2020 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん関連ネットワークにおける神経活動の解析と外科的治療への応用
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19K21353
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
クー ウイミン 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70591022)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | てんかん / 脳波fMRI同時計測 / 外科的治療 / てんかん関連ネットワーク / 頭蓋内脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
大阪大学医学部附属病院の倫理委員会に承認を得て、外科治療を検討中の難治なてんかん患者を前向きにリクルートした。2021年までに計23名の患者に同意を得て、脳波-fMRI同時計測を計25回行った。MRI同時計測下の脳波は非常に雑音が多く、振幅の低いてんかん性放電は検出が困難なことが多いが、研究代表者らが確立した独自の方法を既存の雑音除去法に加えることで雑音の少ない脳波を得て、振幅の低いものを含め脳波上のてんかん性放電のタイミングの同定に成功した。それらにもとづいてモントリオール神経科学研究所で確立された画像解析プログラムfMRIstatを用いてfMRI画像を解析し、てんかん性放電のある時間帯とない時間帯の脳血流変化を画像化し、てんかん関連ネットワークの描出に成功した。 23名のうち、2名は安静が保たれず計測を中止し、計測できた21名のうち19名にてんかん性放電が捕らえられ解析が可能だった。脳波-fMRIで描出されたてんかん関連ネットワーク画像より得られた情報を加える前後の治療計画を比較した。EEG-fMRI解析結果は外科的治療の適応を検討する過程で何らかの付加情報として応用できたのは82%だった。 また、電極留置を行なった6名はてんかん関連ネットワーク画像の各領域は頭蓋内脳波で検出された発作の伝播経路と共通点が確認され、脳波-fMRIの解析で発作の伝播経路が推定できる可能性が示唆された。 脳波-fMRIで描出されたてんかん関連ネットワークは外科的治療の際に有用な情報として応用できる可能性が高いと考えられる。
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Research Products
(18 results)