2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K21358
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
横田 陽匡 日本大学, 医学部, 准教授 (60431417)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 糖尿病網膜症 / プロレニン / ペプチドワクチン / 糖尿病性腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が設計したプロレニンワクチンは2型糖尿病モデルdb/dbマウスにおいても効果的にプロレニンに対する抗体を産生した。糖尿病ではミクログリアの活性化による慢性炎症が網膜において持続し、慢性炎症によって神経病変、血管病変が起きると考えられている。マウスの寿命は一般的に短いことから、ヒトで観察される血管病変を主体とする糖尿病網膜症をマウスで観察することは不可能である。本研究ではプロレニンワクチンを2型糖尿病モデルdb/dbマウスに接種して、プロレニンワクチンがdb/dbマウスにおけるミクログリアの活性化、神経病変を抑制すること、血圧、血糖は変化しないこと、さらに腎臓病変を抑制することを見出した。しかしヒト糖尿病網膜症は、毛細血管網、網膜出血、網膜新生血管などの血管病変を主体とすることから、新たなモデル探索を同時に開始した。 ブタはマウスとは異なり、臓器のサイズと重量がヒトに酷似している。これまでに糖尿病ブタの網膜病変が報告されているが、網膜血管病変の詳細な報告には限りがある。日本大学医学部はブタ舎を備えており、ブタを用いた実験を遂行する際に十分な施設を要している。我々は若年発症2型糖尿病(maturity onset diabetes of the young: MODY3)の原因遺伝子の一つであるhepatocyte nuclear factor 1 alphaを導入した遺伝子改変糖尿病ブタ(MODY3ブタ)の網膜血管病変の解析を開始し、5ヶ月齢までに表層、中間層の毛細血管網の血管密度が低下することを確認した。さらにブタプロレニンアミノ酸配列からブタプロレニンワクチンを作成して、実際に抗体が体内で産生されることを確認した。今後はこのブタプロレニンワクチンをMODY3ブタに接種して、プロレニンワクチンの糖尿病網膜症の血管病変に対する効果を評価する。
|
Research Products
(1 results)