2019 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎の病態に対する腸内細菌叢の影響と関連メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K21365
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 圭祐 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80828905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯周炎 / 腸内細菌 / 糞便移植 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎と全身性疾患との関連が報告されているが、そのメカニズムについては未だ不明な点が多い。我々はこれまでに歯周病原細菌の口腔投与が腸内細菌叢の変動および腸管免疫応答の変化を介して全身性の炎症を誘導することを確認した。一方、腸内細菌叢の変動を介した全身性の炎症は歯周炎の発症・進行にも影響している可能性がある。そこで本研究は、異なる腸内細菌叢を有するマウスに実験的歯周炎を惹起させることで、歯周炎の発症・進行に対する腸内細菌叢の影響とその関連メカニズムを解明することを目指す。 実験異なる腸内細菌叢をもつマウスを確立するために、6週齢雄C57BL/6マウスに糞便移植を行った。Donorには高脂肪食給餌マウスの糞便(HFD群)と普通食給餌マウスの糞便(NC群)を使用した。その後、絹糸結紮法を用いて実験的歯周炎を惹起させた。サンプリングを行った後、歯槽骨吸収解析、口腔細菌叢と腸内細菌叢の網羅的解析、血清中のメタボローム解析・サイトカイン解析、腸管膜リンパ節のリンパ球サブセット解析を行った。 結果として、HFD群はNC群と比較して、歯槽骨吸収が有意に進行していた。また、HFD群とNC群を比較すると腸内細菌叢・血清中メタボロームに変動が認められたが、口腔内細菌叢に変動は認められなかった。HFD群の腸管膜リンパ節におけるTh17の割合が有意に増加したが、IL-17産生能の亢進は認められなかった。血清中IL-17レベル・エンドトキシンレベルに群間で有意差は認められなかった。 以上より、歯周炎の発症・進行に腸内細菌の代謝産物が影響している可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)