2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of resveratrol derivative-rich melinjo seed extract-induced periodontitis healing
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18H06287
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 恵莉 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (40822565)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | レスベラトロール / Nrf2 / 歯周炎 / siRNA / 炎症性疾患 / 抗酸化物質 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎モデルマウスを用いたレスベラトロール類の効果の比較検討を行なった。C57BL/6Jワイルドタイプマウスの上顎第二臼歯に9-0絹糸を結紮・留置することで作製された歯周炎モデルマウスを用いて、レスベラトロール(RSV)単量体と二量体の歯周炎に対する効果を比較した。RSV二量体は単量体に比べ安定性が高く、血中に長く留まることができるため、歯周炎に対してもより良い歯周炎改善効果を示すと期待して実験を行なった。麻酔下で結紮糸を留置したのちに15日間歯周炎を誘発して炎症が慢性化したことを確認してから、10mg/kgのRSV単量体またはRSV二量体を腹腔内に投与した。その後、17日目、21日目、23日目でμCTを撮影して歯槽骨吸収の治癒過程を観察した。RSV二量体投与群では炎症因子を除去していないにも関わらず顕著な骨吸収量の減少が確認できた。歯周炎の骨吸収に対してRSV二量体はRSV単量体よりも、より強い治癒効果を持つ可能性が示唆された。 また、RSV二量体が歯周炎などの炎症性疾患に効果をもたらすメカニズムには、抗酸化経路を司る転写因子Nuclear Factor Erythroid 2-Related Factor 2(Nrf2)が関与してると考えられるため、Nrf2遺伝子をノックダウンしたLPS刺激マクロファージへのRSV二量体の効果の検討を行うこととした。Nrf2遺伝子をノックダウンさせるために、マクロファージにNrf2 siRNAを加え遺伝子発現がノックダウンしていることをPCR法で確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、平成30年度にin vivoでRSV二量体がRSV単量体よりも歯周炎の骨吸収の治癒効果が高いことを示すことができた。さらに、そのメカニズムを検討するためのin vitroでのNrf2遺伝子のノックダウンを行うプロトコールも確立することができた。次年度にRSV二量体が歯周組織治癒に働くメカニズムを検討するための体制が整ったことを踏まえて、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点まで本研究は順調に進行しており、今後も当初の予定通り研究を進める予定である。令和元年度はまずNrf2遺伝子をノックダウンしたLPS刺激マクロファージへのMSEの効果の検討するために、Nrf2ノックダウン細胞にPorphyromonas gingivalis 菌由来リポ多糖(LPS) を加え炎症を惹起した後にRSV二量体を加えててさらに培養する。細胞の回収後、メッセンジャーRNAを抽出して炎症性サイトカインinterleukin(IL)-1β、IL-6、 tumor necrosis factor(TNF)-αの発現レベルをqPCR法で測定し正常な好中球との比較を行う。さらに、細胞内における活性酸素(ROS)の定量を行うためにCell ROX蛍光キットを用いて、蛍光顕微鏡下でROSの検出を行う。 次に、歯周炎誘発Nrf2ノックアウト(KO)マウスに対するRSV二量体の効果の検討を行う。上顎臼歯に結紮糸を留置し歯周炎を誘発し、RSV二量体溶液もしくはプラセボ溶液腹腔内に投与する。μCTで治癒過程を確認したのちに、マウスを安楽死させ、結紮糸周囲歯肉、上顎骨、歯周組織を採取する。結紮糸周囲の歯肉組織からはメッセンジャーRNAを抽出し炎症性サイトカインレベル(IL-1β, IL-6, TNF-α)をqPCR法で測定する。組織学的解析として、HE染色、8-OHdG抗体での免疫染色を行い、酸化ストレスレベルを観察する。
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