2018 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイト系骨補填材の組成および形態が骨伝導性および骨置換性に及ぼす影響
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18H06295
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸田 良 九州大学, 歯学研究院, 助教 (90823211)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 炭酸アパタイト / 骨補填材 / 骨伝導性 / 骨置換性 / ハニカム |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、水酸アパタイトハニカムおよび炭酸アパタイトハニカムを作製することを目的としていた。ハニカムは細孔径150μm-壁厚150μmに設計されたハニカム金型を搭載した押出成形機を用いて作製した。水酸アパタイトハニカムは、水酸アパタイト粉末含有ワックスベースバインダーの押出成形、その後の脱脂・焼結により作製した。炭酸アパタイトハニカムは、水酸化カルシウム粉末含有ワックスベースバインダーの押出成形、その後の脱脂・炭酸化、リン酸化により作製した。水酸アパタイトハニカムおよび炭酸アパタイトハニカムともにハニカム構造の特徴である規則的に配列した一軸連通孔(マクロポア)を有していた。水酸アパタイトハニカムおよび炭酸アパタイトハニカムの平均マクロポア径はそれぞれ84μm、118μmであり、焼結により、マクロポア径が減少した。また、焼結によりマイクロポロシティにも違いが生じ、水酸アパタイトハニカムではマイクロポアが確認されなかったが、炭酸アパタイトハニカムにはマイクロポアが存在していた。水酸アパタイトハニカムのマクロポア形成方向の圧縮強さは約32 MPaであった。炭酸アパタイトハニカムの圧縮強さは作製条件により制御可能であり、100 MPaを超えるようなハニカムも作製することができている。圧縮強さはポロシティとトレードオフであるため、用途に合わせて、ポロシティと圧縮強さのバランスを最適化することを検討している。また、これらのハニカムをウサギ大腿骨欠損に埋入しており、2019年度中に結果が得られると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた水酸アパタイトハニカムおよび炭酸アパタイトハニカムの作製に成功し、動物実験に取り掛かることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞を用いた実験により、骨伝導性等の評価を行う。また、水酸アパタイトハニカムおよび炭酸アパタイトハニカムを埋入したウサギ大腿骨欠損部のμCTおよび病理組織学的解析により、水酸アパタイトハニカムおよび炭酸アパタイトハニカムのin vivo吸収性、新生骨形成、血管新生等を評価する。
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