2019 Fiscal Year Annual Research Report
エピゲノム解析による骨髄ニッチシグナルの解明と骨髄再構築培養法の確立
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19K21388
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金澤 三四朗 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (60823466)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | single cell RNA-seq / ATAC-seq / バイオインフォマティックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ES、iPS細胞の核内ゲノム構造を指標にして、骨髄間葉系幹・間質細胞(MSPC)のゲノム構造変化との比較により、MSPC特性制御に関わるゲノム領域およびシグナルの特定と、このシグナルを活用した高機能化MSPCのin vitro増殖培養法を確立し、骨再生医療への展開を目指すことである。そのため、以下の研究を平成30年度、令和元年度に実施した。 研究代表者は、MSCをsingle cellレベルでの解析により、間葉系細胞集団(Mesenchymal Cell Population, MCP)の分離を試みた。MSCをsingle cell RNA-Seq解析し、遺伝子発現プロファイルから特異性のある7つ亜集団(クラスター)が存在することを確認した。また同定した各集団における上記網羅的遺伝子発現解析から、2倍以上発現増減した遺伝子を選定し、集団特異で共通する遺伝子を組み合わせることによりそれぞれのクラスターを、FACSにて分離することが可能であることを確認した。また、これらのクラスターが遺伝的に独立した集団であることを確認するため、RNA-SeqおよびATAC-seq解析をおこなった。ATAC-seqにていくつかのクラスター間で類似性を有することを認めたが、7つのクラスターが、独立した細胞集団であることを明らかにした。次に、これらのクラスターの特性評価をおこなった。とくに、クラスターが幹細胞特性を有するか評価した。その結果、クラスターのいくつかで、幹細胞に類似した機能を有することが分かった。このクラスターをさらにGREAT解析によりクラスター特異的遺伝子発現および発現遺伝子から本質的機能検索した。その結果、分化指向性、未分化性維持に特異的な遺伝子を検出することができなかった。今後はES細胞との直接比較によりMCPに存在する幹細胞に近似した細胞集団の同定を目指す。
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Research Products
(2 results)