2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sox21-アメロブラスチン共役におけるエナメル芽細胞の分化制御機構の解明
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18H06302
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 知子 東北大学, 大学病院, 医員 (00821836)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの研究では、アメロブラスチンノックアウト(AMBN-KO)マウスとSox21ノックアウト(Sox21-KO)マウスを交配し、ダブルノックアウトマウスの作製に成功した。AMBN-KOマウスおよびSox21-KOマウスでは、野生型と比較し、白濁や実質欠損などエナメル質形成不全が認められた 。また、W-KOマウスでも同様にエナメル質形成不全が認められた。 各々の遺伝子型のマウスの歯についてSEMを用いて観察した所、AMBN-KOマウスではエナメル質の表面が粗造でエナメル質の厚みが著しく減少した。xSox21-KOマウスではエナメル質の表面が粗造で、エナメル質の厚みは僅かに減少した。W-KOマウスではエナメル質の表面が粗造で、エナメル質の厚みはやや減少した。どの遺伝子型のマウスにおいても、エナメル小柱などの結晶構造は認めらなかった。また、象牙質においては有意な違いは認められなかった。 更にEDX解析を行ない野生型と比較した所、各々の遺伝子型のマウスのエナメル質において、カルシウムやリンなどの有機物と炭素などの無機物の含有率に有意差が認められた。AMBN-KOマウスでは有機物の含有率が著しく減少し、無機物の含有率が増加した。Sox21-KOマウスでは有機物の含有率が増加して、無機物の含有率が増加した。W-KOマウスでは有機物の含有率が減少し、無機物の含有率がSox21-KOマウスより増加しAMBN-KOマウスより増加した。これらのことから、各遺伝子型のマウスにおけるエナメル質形成不全はそれぞれその発症機序が異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックアウトマウスの繁殖がうまく行かず、サンプルの回収に難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
各々の遺伝子型のマウスにおける歯および骨などの表現系を野生型と比較検討する。 具体的には、硬組織における表現系として、各遺伝子型のマウスの歯および骨をCTを用いて観察する。
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