2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H06303
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西本 美紗 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任研究員 (60825537)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | フレイル / オーラルフレイル / 整容 / 口腔保健行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①日常的な整容行動や口腔保健行動と多面的なフレイルの関係を観察研究から同定し、②その結果と産学連携による多角的視点、および高齢者への質的調査から、整容行動に口腔保健行動を付加した美容向上によるフレイル予防プログラムを構築することである。 2018年度の研究計画は上記①の実施とし、整容・口腔保健行動とフレイルの因果関係を、千葉県柏市在住高齢者を対象とした前向きコホート研究 (柏スタディ)の第4次調査および第5次調査のデータを用いて検証することとした。 2018年度の追加検討として、第4次調査のデータ分析を実施した結果、身だしなみ・おしゃれに対する意識が高い高齢者では、オーラルフレイルやフレイルの有病率が高いことを明らかにした。第5次調査ではより詳細な検証ができるよう、前回よりも調査項目数を増やした。具体的には、整容行動(スキンケアやメイクの頻度等)と口腔保健行動(歯磨き習慣、定期的な歯科受診等)に加え、身体の各部位の肌やそのケアに対する高齢者特有の困りごとや顔印象評価を行った。2018年度の成果として、同年9~10月に行われた柏スタディ第5次調査にて上記項目を評価、東京大学柏キャンパスや保健センター等の4カ所の会場で大規模健康調査を実施し、合計875名のデータを得た。第5次調査のデータベースは2019年4月末に完成予定である。分析結果は2019年度に開発するフレイル予防プログラムの基礎データとする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度の目的は、主に日常的な整容行動や口腔保健行動と多面的なフレイルの関係を観察研究から同定することであった。進捗状況として、柏スタディ第4次調査のデータを用いて新たな知見を見出し、2018年9~10月に第5次調査を完了した。概ね順調ではあったが、第5次調査のデータ入力が遅れており、第5次調査のデータを用いた検証が未だできていない。原因は、縦断データとの結合の際のずれの修正やデータクリーニングに時間を要したことであり、4月末に最終版が完成する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
柏スタディ第5次調査のデータを用いて、整容・口腔保健行動と多面的なフレイルとの関連性をより詳細に明らかにすることで、プログラム開発の基盤知見を構築する(~2019年5月)。その後、所属研究班および民間企業の有識者らが一体となって、上記データ分析で得られた知見を産学連携の多角的視点から考察し、整容と口腔保健の融合による教育プログラムを検討する(~2019年3月)。 また、多様な整容・口腔保健と多面的なフレイルとの関連に関する分析結果については、2019年10月に開催される第5回アジアサルコペニアフレイル学会で発表予定であり、学会での意見交換を踏まえて、学術誌への論文投稿を行う予定である。
|