2018 Fiscal Year Annual Research Report
MMPsを介したヒト頭頸部扁平上皮癌の微小環境におけるPD-L1の調節機構
Project/Area Number |
18H06307
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮澤 真優子 金沢大学, 附属病院, 医員 (40825048)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / MMP / PD-L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
EMTが誘導する4D型高浸潤口腔癌や癌関連線維芽細胞の形成過程で発現低下するMMPの特定した。これまでの報告でOSC-20細胞が低浸潤性で上皮系細胞の性質をもつことが明らかになっている。この細胞培養液にTGF-βを添加し、EMTにより4D型高浸潤口腔癌細胞へ誘導する。同様に、ヒト正常歯肉線維芽細胞(HGF細胞)を EMTの誘導により、癌関連線維芽細胞へ移行させる。これらの培養細胞でのMMP発現を解析し、EMTの誘導で発現低下するMMPを調べた。 EMTの誘導により4D型高浸潤口腔癌や癌関連線維芽細胞で発現低下するMMPのPD-L1分解活性の検討を行った。遺伝子導入効率の高いHEK293細胞に、上記の実験で特定されたMMPとPD-L1のタンパク発現ベクターを共導入し、それぞれのタンパクを恒常的に発現する安定発現細胞株を作製した。PD-L1の遊離が亢進しているMMP安定発現株を調べ、PD-L1切断活性をもつMMPを特定した。 PD-L1のMMPによる切断活性の検討:膜結合部位を欠失し、C末端に6xHisタグを付加した分泌型PD-L1の発現ベクターを作製した。HEK293細胞にこのPD-L1発現ベクターを導入し安定発現株を作製した。分泌されたPD-L1はHisタグカラムで精製した。精製したPD-L1をリコンビナントMMPとインキュベートし、切断断片をSDS-PAGEで解析し、PD-L1に分解活性をもつMMPを同定した。 PD-L1の分解活性を持つMMPを発現上昇させる抗がん剤の検討を行った。数種類の培養口腔癌細胞に既存の抗がん剤を添加し、上記で同定したMMPの発現を上昇させる抗がん剤を同定した。さらに、これらの抗がん剤を添加した際、PD-L1の分解が亢進するかを検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大幅な遅延なく進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
PD-L1のMMPによる切断活性を検討する。膜結合部位を欠失し、C末端に6xHisタグを付加した分泌型PD-L1の発現ベクターを作製する。HEK293細胞にこのPD-L1発現ベクターを導入し安定発現株を作製する。分泌されたPD-L1はHisタグカラムで精製する。精製したPD-L1をリコンビナントMMPとインキュベートし、切断断片をSDS-PAGEで解析し、PD-L1に分解活性をもつMMPを同定する。 次に、PD-L1の分解活性を持つMMPを発現上昇させる抗がん剤を検討する。数種類の培養口腔癌細胞に既存の抗がん剤を添加し、上記で同定したMMPの発現を上昇させる抗がん剤を同定する。さらに、これらの抗がん剤を添加した際、PD-L1の分解が亢進するかを検討する。
|
Research Products
(1 results)