2019 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント治療のための新規骨質評価方法と骨質コントロール
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19K21396
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉岡 洋祐 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (00827933)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨質 / 顕微ラマン分光装置 / 酸化ストレス / 終末糖化産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
今までの研究で副甲状腺ホルモン製剤(PTH)投与により,下顎新生骨において骨質の劣化を認めたが,そのメカニズムについては明らかとしていなかった.インプラントを用いた研究にPTHを応用する前に,PTHが骨質の劣化を引き起こすメカニズムを解明し,骨質劣化を防止することができればPTHの使用時の骨強度向上に繋がるため,本年度も引き続き,その解析を行った. 本年度は, PTH投与後の下顎新生骨をHE染色,免疫染色を用いて組織学的に解析した.昨年度の研究では,予備研究も兼ねて少数の検体を染色し評価した.本年度では,十分に比較検討できる検体数を用意し解析した.PTH投与は既存骨には影響を及ぼさなかったが新生骨にRAGE(Receptor of advanced glycation endproducts)の発現を誘発させた.また,RAGE発現細胞の多くが骨芽細胞であった. 現在までの研究で,PTHの間歇投与は新生骨の微細構造を向上させる一方で,微小領域におけるアパタイトの成熟を妨げ,コラーゲン構造を脆弱化させることを明らかにした.本年度の研究で,そのメカニズムとして抗酸化力の低下に伴う酸化の亢進が新生骨において終末糖化産物の産生,RAGEの発現を促進させたことに起因していることが示唆された.PTH使用時の酸化に直目し,酸化の防止法を見出すことができれば,微細向上を向上させつつ,骨質を向上させることでインプラント治療をはじめとした骨強度が重要視される領域で有効な治療法となりうる可能性を見出した.
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Research Products
(2 results)