2019 Fiscal Year Annual Research Report
不飽和脂肪酸およびレゾルビンを応用した顎関節症治療法の新規確立
Project/Area Number |
19K21397
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢野下 真 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (20823199)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レゾルビンD1 / 機械的負荷 / 炎症 / 軟骨 / 滑膜 / 不飽和脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は関節炎に対する不飽和脂肪酸代謝産物レゾルビンD1の抗炎症作用とそのメカニズムを解明し、最終的には顎関節症に適応することを目的にしている。 不死化ヒト軟骨細胞および滑膜細胞を使用し検討を行った。 2018年度までに達成したin vitro における軟骨細胞に対するレゾルビンD1の抗炎症効果および軟骨保護効果についてのメカニズムの解明を行った。軟骨細胞に対し現有のFlexer Strain Unitを用い、レゾルビン添加下で細胞伸展刺激(CTS)を与え、レゾルビンD1のintegrin-FAKシグナルに及ぼす影響についてwestern blot解析を行った。なお、初年度に軟骨細胞においてCTSによる炎症反応はFAK―MAPKsカスケードを介することを報告している(矢野下ら, Inflamm, 2018)。その結果、integrin-FAK-MAPKsシグナル伝達経路と関連する可能性が示唆された。 さらに、軟骨細胞のみならず滑膜細胞を用い脂肪酸代謝産物であるプロテクチン、マレシンの炎症抑制効果および軟骨保護効果の検討を行った。IL-1β添加により炎症反応を惹起した滑膜細胞に対してプロテクチン、マレシンを添加したところIL-6、MMP-3, 9, 13およびTIMP-1の有意な遺伝子発現の低下を認めた。 また実験2として予定していたラット下顎頭高負荷モデルに関しては、レゾルビンD1およびDHAのラットへの投与はコスト的に実験中断を余儀なくされた。そのため、代替案として少ない薬剤量で対応できるex vivoの器官培養法で検討を続け遺伝子レベルでは良好な結果を得ている。
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