2018 Fiscal Year Annual Research Report
難治性舌癖に対する視覚的フィードバックを用いた訓練法の構築
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18H06336
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
柏村 晴子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (20425268)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | EPG |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、舌突出癖などの「口腔機能発達不全症」により、不正咬合を有する患児に遭遇する機会が増えてきている。現在、このような症例に対しては、舌を動かし口唇を舐めたり、突出させたりといった舌運動訓練を行う「口腔筋機能療法(Oro-Facial Myofunction therapy MFT)」が行われてきた 。しかしながら、口腔内で舌がどの位置にあるのか、本当に自分が舌の正しい位置に動かすことができているかの自己判断が難しく、また、術者にとっても口腔内を直視することができないため、視覚的判定ができないといった問題点を持っている。 本研究で使用するEPG口蓋床は、これまで言語聴覚士による言語訓練に用いられており、発話時に舌が口蓋のどこに接触したかを経時的に記録し、デジタルデータにて画像を構築して、視覚的フィードバックができるよう開発されたシステムである。具体的には、個人の上顎印象から作製された口蓋床に62個の電極を配置し、口蓋のどこに舌が接触したかを専用ソフトで表出することができるようになっている。 このシステムを舌突出癖や異常嚥下癖を有する患児に応用し、舌機能に問題を有する小児の嚥下時や発音時の舌の動きを健常群と比較してその特徴を明らかにしたいと考えている。口腔機能発達不全症の新しい診断法・治療法としての確立を目指したいと考え、本研究を遂行している。 本研究では上顎中切歯および側切歯が萌出完了した7歳以上12歳以下の児童を対象とし研究を行うため、倫理審査委員会に申請を行った。また、EPG口蓋床の使用法について学んだ。現在本研究に同意し参加してくれる患児に対し、測定を行わせて頂いている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究で使用するEPG口蓋床は、発話時に舌が口蓋のどこに接触したかを経時的に記録しデジタルデータにて画像を構築して視覚的フィードバックができるよう開発されたWIn STARS(EPG録音録画システム)を使用し測定を行う。本科研によりこの装置を購入するため倫理申請を行ったが、その手続きや許可に時間を要してしまったため、研究が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当病院小児歯科外来に来院され、上の前歯が萌出している7歳以上12歳以下で、唾液をのみこんだ時に舌がでる舌癖のある小児、比較対象として舌癖や発音に問題ない小児が対象とし、舌の動きの違いを明らかにすることを目的に研究を進めていく予定である。またあわせて装置使用後の感想を保護者・お子さんに対して行わせて頂き、装置の効果についての判定を行う予定である。
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