2018 Fiscal Year Annual Research Report
Systematic review and recommendation of rabies elimination in Sri Lanka
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18H06337
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
神田 浩路 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70628718)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 狂犬病 / スリランカ / 撲滅 / Elimination / システマティックレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日本国内とスリランカ国内にて、スリランカの狂犬病対策における過去の経験や手法、調査研究結果等が記載された狂犬病関連資料を収集し、データベース化した。 日本国内では、大学図書館等で提供されているオンラインデータベースを活用し、キーワード検索を実施して関連資料を収集した。データベースは、CiNii, Cochrane Database of Systematic Reviews, J-Stage, 医中誌web、MEDLINE, PubMed, Scopusを使用した。検索については、「スリランカ」「狂犬病(撲滅)」等に該当するキーワードを用い、英語及び日本語(和文の場合)で2018年12月末までに刊行されたものを検索した。その結果、重複文書や関連性の低い資料を除いた71編の学術論文を抽出し、そのすべてを電子媒体として保存した。 スリランカでは、2度の訪問を通じてスリランカ国内で発刊された学術文献等の収集について、現地研究協力者及びペラデニヤ大学医学部図書館等の協力のもと実施した。スリランカではNational Science Foundation of Sri Lankaが比較的最近の文献をデータベース化しているが、古い文献に関してはデータベース化されていないため、同図書館に保存されているものを一部ずつ確認し、また同図書館に保存されていないものについては他所から取り寄せる等をして関連文献を抽出した。その結果、国内で刊行されている医学・獣医学関連雑誌で狂犬病関連の論文が掲載されている23誌中、45編の学術論文を収集し、そのすべてを電子データ化して文献管理ソフトを使用して一元管理できるようにした。また、狂犬病の疫学データが記載されたQuarterly Epidemiological Bulletinについても2004年以降のものを収集することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、日本国内でオンラインデータベースを中心に関連文献を収集するとともに、2度のスリランカ訪問にて現地でしかアクセスできない資料を予定通り収集することができた。スリランカでは、大学図書館における文献の保存状態が必ずしも良いとは言えず、また雑誌においてはある特定の年代のものが紛失していることが多かったことから、文献へのアクセスに予想以上の時間を取られた。しかしながら、図書館司書やスタッフ、研究協力者の支援もあり、必要な資料は概ね収集することができ、電子データとしてまとめることができた。そして、彼らとの対話を通じて、学術文献以外で同国の狂犬病対策に関連する資料も確認することもでき、その一部については電子データとして収集することができた。また、一部の調達資器材の納品が大幅に遅れたことにより、文献管理ソフトによる収集した電子データの保存作業が年度末ぎりぎりまで続くことになったが、多くの資料についてはソフトによる保存を完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、まだ文献管理ソフトにて保存が完了していない電子資料の保存を終わらせるとともに、すべての文献を読み込んで狂犬病の対策別に分類する。そしてその分類に基づき、これまでスリランカ国内で実施してきた各種狂犬病対策におけるシステマティック・レビューを実施し、その対策の効果(インパクト)を評価する。その際、現地の狂犬病専門家と共同でレビューを実施することとし、これまでの狂犬病対策を振り返り今後スリランカが間近に迫った撲滅に向けてどの様な対策を推進していくべきか、提言をまとめる。 また、スリランカ以外の国で、狂犬病撲滅を達成した国々の関連資料もオンラインデータベース等を活用して収集し、詳細分析を実施できるようデータベース化するとともに、狂犬病撲滅を可能にするための決定要因を明らかにし、狂犬病対策としてスリランカに適用でき、かつ有効な教訓をまとめる。 これらの研究により、スリランカにおける2020年までの狂犬病撲滅という目標達成に向けたより効果的な対策を提言するとともに、得られた結果を取りまとめて成果の発表を行う。
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Research Products
(1 results)