2020 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期から成人期に至る追跡研究による生活習慣病予防のエビデンス構築と教育への応用
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19K21431
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐田 みずき 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00822652)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / コホート研究 / 小児 / 児童 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特に小児期から児童期の食習慣・生活習慣が、その後の思春期・成人期の生活習慣病リスク因子に与える影響を明らかにすることを目的とする。具体的には、平成4年度の3歳児をその後25年間にわたって長期追跡している「Ibaraki Children's Cohort Study(IBACHIL研究)」について、同一対象者から収集した調査データ(3歳、6歳、12歳、22歳、27歳)をもとに、小中学生の将来の生活習慣病予防に向けた行動変容に繋げる観点に特化した解析を行う。さらに、その成果等をもとに、小中学生の行動変容に繋げるための学校向けの教材を開発する。そして、小中学生への健康教育に関する保健事業の一環として、申請者がこれまで小中学校での予防対策に関わってきた地域の教育現場に提供し、学校での活用可能性を検討する。 IBACHIL研究については、茨城県と茨城県立健康プラザの協力を得ながら、27歳時調査のデータ入力を完了し、分析用データセットを作成した。これをもとに、27歳時調査の断面的な分析を進めるともに、幼児期からの食習慣・生活習慣とその後の健康状態(特に、体格)との関連について縦断的な検討を進めた。これらの成果として、乳児期の栄養摂取方法とその後の体格との関連を検討した結果を国際学術専門誌に発表した。 また、地域の教育関係者や研究協力者と意見交換をしながら、小中学生に対する健康教育において実用可能な教材として、健康副読本を作成した。これらの副読本を用いて、学校教諭による小中学生への健康教育が継続的に行われている。また、一地域の小中学生に対しては健康教育と同時に、児童・生徒及び保護者の食習慣の現状を把握するため質問票調査・尿検査も開始した。教育現場における継続的な健康教育、調査・検査の実施に向けて、地域の教育関係者や研究協力者と協議を進めている。
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