2018 Fiscal Year Annual Research Report
認知症患者の問題行動に関連する神経生理学的要因の解明:長期的な非薬物療法を用いて
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18H06353
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
合田 明生 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (90823427)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 問題行動 / 非薬物療法 / コミュニケーションロボット / 神経生理学的要因 / 認知症 / 地域在住高齢者 / 介護予防 / 地域包括支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の全体構想は,認知症高齢者の問題行動(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSD)を行動学的指標のみならず,神経生理学的指標を用いて評価し,前向き研究手法を用いて長期間の非薬物療法介入による問題行動(BPSD)の緩和効果を検証し,その効果に関連する神経生理学的要因を明らかにするものである。本研究では,コミュニケーションロボットを用いたロボット介在活動(Robot Assisted Activity:RAA)を,非薬物療法として用いている。30年度は,認知症高齢者における,非薬物療法介入を用いた長期介入前のベースライン測定(行動学的指標・神経生理学的指標)を課題とした。30年度の取り組みは,地域在住の認知症高齢者10名と健常若年者8名を対象に,単回介入前後の神経生理学的指標を測定し比較することで,認知症高齢者における非薬物療法の即時効果や反応特性を検証した。また認知症高齢者10名の問題行動に関する行動学的指標の測定を実施した。さらに認知症高齢者に対して,本年5月に非介入期間後の測定を,8月に長期非薬物療法介入後の測定を実施する予定である。30年度の研究成果について,日本生体医工学会BME on Dementia研究会「ロボット介在療法を用いた認知症の問題行動抑制に向けた取り組み-大学生を対象とした予備的研究-」と,日本早期認知症学会学術大会「リハビリテーションの現場におけるコミュニケーションロボットの導入~セラピストによる事前評価~」の2演題を発表し,それぞれ学会研究報告集に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30年度は問題行動(BPSD)の緩和に向けた非薬物療法の長期介入効果を検証するためのベースライン測定を実施できたこと,また協力施設との間で今後の測定・介入準備が順調に進んでいることから「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
31年度(令和1年度)は,以下の様な計画で進める。30年度に実施したベースライン測定の後,12週間の非介入期間を置く。その後,12週間の非薬物療法(コミュニケーションロボット使用,2回/週,30分/回)を用いた介入を行う。介入前後でベースライン測定と同様の項目(神経生理学的指標,行動学的指標)を測定する。各回の測定結果を比較することで,非薬物療法介入による認知症の問題行動の緩和効果を明らかにする。また神経生理学的指標と行動学的指標の変化の関連を検討することで,問題行動の緩和に関連する神経生理学的指標を明らかにしたい。
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Research Products
(4 results)