2019 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児の育児における母親の自己効力感(PMP S-E)尺度の開発と検証
Project/Area Number |
19K21439
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
黒川 麻里 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 講師 (90826059)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / NICU / 退院 / 母親 / 支援 / 尺度 / 信頼性・妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
育児の自己効力感尺度であるPerceived Maternal Parenting Self-Efficacy (PMP S-E) Scaleの信頼性と妥当性の検証を行った。 調査は日本版PMP S-E scaleを用いて、地域母子医療周産期センターのNICUに入院する低出生体重児の母親を対象に実施した。信頼性は再テスト法と内的信頼性により検討し、妥当性は基準関連妥当性と構成概念妥当性により検討を行った。 79名の母親の回答を対象に分析を行った。再テスト法によるInterclass correlation coefficientは0.75 (95% CI [0.44, 0.87], p <.001)、内的妥当性を示すCronbach’s alphaは、0.90 と尺度の信頼性は十分であった。妥当性は、基準関連に用いた愛着尺度 (MAI-J) との間に弱い相関 (r = 0.4, p < .001)がみられた。一方、一般の自己効力感尺度 (GSES) との間に相関はなかった (r = 0.21, p = 0.06)。構成概念妥当性の因子分析では、オリジナル調査と同様に4因子が抽出されたが、各因子の構造は若干異なった。確認的因子分析では、モデルの適合性が不十分であった。 日本版PMP S-EとGSESの相関は、日本版PMP S-Eは育児に特有な自己効力感を測定する尺度であることを示唆した。構成概念妥当性では、対象者数が影響していると考えられた。 今後は対象者数を増やし、構成概念妥当性を高める必要がある。本研究は、日本版PMP S-E scaleが低出生体重児の母親の育児における自己効力感を測定できる尺度であることを示唆している。日本版PMP S-E scaleは、母児を支援する専門職にとって母親への個別支援の指標となるだけでなく、提供した支援を改善する指標としても有用である。
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