2018 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病患者に特有のサルコペニア発症・進展および転倒の規定要因:5年追跡調査
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18H06369
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡本 智子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00825713)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / サルコペニア / 転倒 / 体組成 / 筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアは骨格筋量の減少と筋力もしくは身体機能の低下により定義され、転倒・骨折による要介護の要因である。インスリン抵抗性や糖代謝異常を伴っている糖尿病患者は若年層でもサルコペニアが進展している可能性がある。したがって、糖尿病患者の筋力及び骨格筋量を年齢階級別に縦断的に検討し、筋力・筋量低下の関連要因を抽出することは、糖尿病患者におけるサルコペニアの予防、治療戦略を構築する上で不可欠である。 本研究の目的は、糖尿病患者の5年間の筋力の推移より糖尿病の重症度とサルコペニアの進展状況との関連を年齢階級別に分析すること、糖尿病患者におけるサルコペニア発症と転倒経歴との関連を明らかにすることである。研究1年目は研究を実施するための物品購入、計画書の作成、フィールド調整を行う予定をしていた。 フィールド調査および計画書の作成を行い、同年9月に当大学の倫理審査委員会に倫理審査申請を行い、同年11月に承認を得た。そして同年12月より調査対象者の選定を行い調査対象者への同意取得を開始した。また調査員へのトレーニングを並行して実施し、精度管理を行った。2019年1月から調査同意が得られた対象者に対し、身体計測、認知機能テスト等の調査を開始した。調査対象者には、通常の外来診察時に主治医より本研究への参加依頼の説明後、研究者より口頭と紙面で調査の説明を行い、同意書に署名を持って同意を得た。同意が得られた対象者には、次回の外来診察時に自記式質問紙の持参と身体計測を実施することを説明し、次回の外来診察前後に別室で身体計測、認知機能テスト、自記式質問紙の確認等を実施した。 その結果、調査対象者485名中転医等の理由で追跡調査困難者は167名で、追跡率は66%であった。追跡可能者318名中2018年12月~2019年4月の期間中で同意取得者は280名で、そのうち230名の本調査が終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、本研究を行うための準備期間を予定しており、調査に必要な物品購入、計画書の作成、フィールド調整等を行った。調査の準備が整い、同年11月に当大学の倫理審査委員会の承認を得た。そして、同年12月から調査対象者への同意取得を開始し、2019年1月からは、同取得を得られた対象者に対して、身体計測、認知機能テスト等の調査を開始した。 調査は順調に行うことができており、予定通り進展している
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(2年目)の計画書としては、本調査の継続とデータ整理および解析、成果報告を予定している。本調査は引き続き実施し、12月までを予定している。また、合わせて、当大学附属病院の電子カルテ端末の診療記録から血液検査結果(血糖値、HbA1c等)、糖尿病の治療状況等の情報を抽出する。その後、収集した調査票のデータ入力、解析可能データとするための突合作業、データ整理、解析を行い、研究成果を論文化する予定である。 申請者は、昨年度(1年目)に初めて研究を開始したため、収集した調査票のデータを解析可能データにするための突合作業、データ整理に時間を要することが予測される。また、収集した調査票のデータ入力作業にも時間を要することが予測されるため、できるだけ早く調査対象者のデータ収集を完了する必要があると考えている。今後は、同意が得られた対象者には、同意取得時に身体計測等の調査を可能な限り実施し、データ収集が完了するよう工夫をして行う。
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