2018 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民を対象とした血中活性型ビタミンD濃度と血管内皮機能障害に関する疫学研究
Project/Area Number |
18H06370
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
崔 美善 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (70823673)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | ビタミンD / 血管内皮機能障害 / FMD |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の地域住民において、血中ビタミンD濃度と早期動脈硬化指標である血管内皮機能障害との関連を明らかにすることを目的とする。血流依存性血管拡張反応(FMD)検査による%FMD(拡張率)は、動脈硬化の初期病変とされる血管内皮機能障害を評価する非侵襲的な指標であり、循環器疾患の発症との有意な関連性が報告されている。本研究では、2014年~2017年循環器健診参加者の中で、FMD検査に参加した30~79歳男女約450名を対象とした。 健診時に凍結保存した血清から電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を用いて血中活性型ビタミンD濃度を測定する。H30年度に2014年~2015年循環器健診参加者の既存血清からビタミンD濃度を測定していて、2016年~2017年循環器健診参加者のビタミンD濃度はH31年度に測定する。循環器健診の健診結果を基に、本研究に必要な項目を選びデータセットを作成し、測定した血中活性型ビタミンD濃度をデータセットに追加した。 ビタミンD欠乏症と血管内皮機能障害との関連について検討するため、文献収集を通じて先行研究のビタミンD欠乏症の判断基準をまとめた。骨粗鬆症予防におけるビタミンD欠乏症の判断基準と心血管疾患の関連を検討した欧米の先行研究での判断基準は異なる。日本人を対象に、血管内皮機能障害をアウトカムとする本研究でどの判断基準を用いてビタミンD欠乏症と定義するかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1、当初は11月までに倫理審査委員会の承認を得て、既存血清からビタミンD濃度を測定する予定だったが、倫理審査に予想外に時間が掛かったため、ビタミンD濃度測定が遅れた。 2、文献収集と既存血清のピックアップが必要となり、適任学生をアルバイトとして雇用したため、H30年度にすべての対象者の既存血清からビタミンD濃度を測定する事が出来なくなった。よって、H31年度に残りの血清検体からビタミンD濃度を測定し、研究を進める予定である。 3、対象者の循環器健診結果から本研究に必要な項目を選び、データセットを作成した。また、測定済みのビタミンD濃度もデータセットに追加した。
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Strategy for Future Research Activity |
1、H30年度に測定できなかった血清検体からビタミンD濃度を測定し、H30年度に測定が終わったデータと併せて解析を進める。 2、研究対象者における平均ビタミンD濃度とビタミンD欠乏症の頻度を求める。 3、ビタミンD濃度によって、欠乏症と正常群に分け、各グループの%FMDを比較する。 4、ビタミンD欠乏群と正常群の血管内皮機能障害リスクのオッズ比を明らかにする。
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