2018 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の寝たきりを予防するための座位による廃用性下肢浮腫ケアプログラムの確立
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18H06373
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
上田 映美 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (40826559)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 下肢浮腫 / 圧迫療法 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、高齢者に下腿浮腫に対する圧迫療法が浮腫軽減に効果があり、安全に実施でき、Well-beingを向上させることができるかを明らかにする研究を実施した。 研究デザインは症例研究で、対象者は特別養護老人ホームに入所する65歳以上の座位による廃用性下肢浮腫を有する高齢者とした。対象者に、圧迫療法を実施し、浮腫軽減効果がどの程度得られるか、心臓への負荷がどの程度であるかを評価した。圧迫は、筒状包帯と弾性包帯を用いて行い、徐々に圧迫圧を高くした。メインアウトカムは、浮腫軽減であり、周囲径測定で評価した。サブアウトカムは安全性であり、循環器機能を心エコーによるEF、パルスオキシメータによる酸素飽和度、呼吸苦にて評価した。また、浮腫が軽減した際、身体的・精神的・社会的ウェルビーイングがどのように変化するかを観察した。この研究は、公立小松大学医学倫理審査委員から承認を得て実施された。 現在までに、対象者3名に対し、3週間圧迫療法を実施した。2名の対象者はプロトコル通りに圧迫療法を実施することができた。1名の対象者は圧迫療法開始後に転倒を起こし、看護師よりプロトコル変更の申し出があり、分析対象から除外した。3週間の圧迫療法で、2名とも左右足背周囲径、左右足首周囲径、左右下腿体積ともに86.7-96.4%に減少した。安全性では、圧迫療法実施中に循環器機能の悪化は見られず、有害事象は確認されなかった。このことから、高齢者の座位による廃用性下肢浮腫に対し圧迫療法は効果があることが示唆された。また心不全を早期に発見するために、循環器機能を評価することで安全に圧迫療法が実施できることも示唆された。今後症例数を増やし、圧迫療法の効果を示していく必要がある。この結果は、2019年6月にリンパ浮腫、慢性浮腫の国際学会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医学倫理審査委員会から承認されたのちデータ収集を実施することができたため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画通りデータ収集を進め、2019年度までにデータ収集を完了する予定である。
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Research Products
(1 results)