2019 Fiscal Year Annual Research Report
The developmemt for prevention of breast cancer for BRCA carriers
Project/Area Number |
19K21457
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小野 寿子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50827326)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | BRCA / 遺伝性乳がん・卵巣がん / クルクミン / ケミカルバイオロジー / PARP阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、BRCAnessを誘導する天然化合物curcuminをケミカルプローブとして使用し、遺伝性乳癌や遺伝性卵巣癌の予防や治療の一助になる分子マーカーの探索を行った。ケミカルバイオロジーの手法を用いてcurcumin固定化ナノ磁性ビーズを作成し、精製・同定したcurcumin結合タンパク質のうち、今年度は、抗がん剤治療のターゲットになっているタンパク質Wの検討を行った。 まず乳癌細胞株MCF-7や卵巣癌細胞株HEY-T30を使用し、siRNA法にて分子Wをknockdownしたところ、mRNAレベルでBRCA1、BRCA 2の発現低下が認められた。次に臨床でも使用されている分子Wの阻害剤を使用し、BRCAness誘導が起こるかを検討した。分子W阻害剤を処理したところ、濃度依存性にmRNAレベルでBRCA1、BRCA 2の発現低下が認められた。以上の結果から、curcuminの結合タンパク質の一つである分子WがBRCAness誘導のkey moleculeである可能性が示唆された。また、PARP阻害剤がBRCAnessの状態のがんに効果があると考えられていることから、分子Wを阻害することによりPARP阻害剤の感受性を高めることができるのではないかと考えた。HEY-T30細胞株を用いて、分子W阻害剤とPARP阻害剤olaparibの併用効果を確認したところ、分子W 阻害剤はPARP阻害薬による細胞増殖抑制効果を増加させることが確認された。 この結果によりcurcuminの結合タンパク質である分子WがBRCAness誘導に関連していることが示唆された。今後、分子Wに関するさらなる解析を進めることで遺伝性乳癌や遺伝性卵巣癌の予防や治療に役立つ可能性がある。
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