2018 Fiscal Year Annual Research Report
A survey on the prevention to noise at work in Japan
Project/Area Number |
18H06383
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永野 千景 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (60389476)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 騒音 / 騒音対策 / 騒音性難聴 / 労働衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
労働者健康福祉機構の協力を得て、全国の産業保健総合支援センターを通じ、騒音職場の存在する事業場において安全衛生に関する業務に従事している者を対象に騒音対策に関する質問紙調査を実施し、68事業場から回答が得られた。 50人未満の小規模事業場から3,000人以上の大企業まで回答が得られた。66事業場が製造業であった。騒音職場は337か所存在し、金属加工や手持ち工具を使用する作業、機械の設備音が騒音源として多かった。68事業場のうち、65事業場が騒音対策を「実施している」と回答した。その内容として音源対策は74.2%、伝播経路対策は62.1%、受音者対策は100%の事業場で実施されていた。音源対策は「遮音(防音カバー、ラギング等)」が26.4%、「発生源の低騒音化(低騒音型機械の採用等)」が22.3%と半分を占めていた。伝播経路対策は「遮蔽効果(遮蔽物、防音塀等)」が44.6%、受音者対策では「耳の保護(耳栓、耳覆い)」が66.0%と最も多かった。 騒音職場従事者の健康診断(聴力検査)は67事業場が「実施している」と回答し、1事業場は無回答であった。有所見者に対する事後措置として、保健指導の実施は70.6%であったが、内容は「防音保護具の着用」の指導が34.9%と最多であった。就業上の措置は54.4%で実施されており、内容は「聴覚保護具(耳栓、耳覆い)の使用」が55.4%と最も多かった。 騒音職場が存在する事業場のほとんどで騒音対策が実施されていたが、その内容としては騒音源対策としても、聴覚管理としても、聴覚(防音)保護具に頼るものが多かった。 保護具以外の対策を実施していない理由としては知識不足、経済的理由、人材不足があげられ、より専門的知識や人材が求められていることが判明した。そこで、騒音対策を実施している事業場にその対策内容を聴取し、好事例を収集することを実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査1・騒音職場の存在する事業場を対象としたアンケートによる騒音対策の実態調査は予定通り、結果集計まで終了している。また、調査2・騒音対策を実施しており、協力を得られた事業場に対する聴き取り(インタビュー)調査による好事例等の収集は2019年1月より実施の予定であったが、協力事業場が存在したため、前倒しでインタビューを開始できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、騒音対策を実施しており、協力を得られた事業場に対し、聴き取り調査(インタビュー)をおこない、実際に事業場で実施されている対策の好事例等を収集する。 アンケート調査で「対策を実施している」と回答した事業場を対象に協力を依頼するが、それ以外にも協力が可能な事業場には学会等を通じて、依頼をしていく。 また、これらの調査対象事業場で騒音作業者の健康診断を実施している所には調査3・騒音作業従事者の健康診断結果とその判定基準の提供依頼をしていく予定である。個人情報のため、提供依頼が困難であることが予測されるが、健康診断機関等にも依頼し、少なくともそれぞれの機関の判定基準の収集はおこなう。
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