2019 Fiscal Year Research-status Report
医学部における研究倫理教育の基盤構築を目指して~現状調査と評価ツールの開発
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19K21478
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中田 亜希子 東邦大学, 医学部, 助教 (80597857)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 研究倫理教育 / 感受性尺度 / 医学部 / 調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度から研究に取り組み、平成31年(令和元年)には研究における倫理的感受性の文献を調べた他、国内の医学部での研究倫理教育に関する情報収集を行った。国内の研究会や学会にも参加し、研究倫理教育に関する意見交換や情報共有を行った。 令和元年9月には、平成30年度に実施した「医学部卒前教育で重視される研究倫理の教育項目に関するWeb調査」の報告(調査対象者:医学系研究に携わったことがある医療者、有効回答370名)を東京大学生命・医療倫理教育研究センター発行のオンラインジャーナルCBEL Report にて、発表した。 令和元年3月には、本邦の医学部を対象とした研究倫理教育の現状調査および今後の研究倫理教育に関するニーズ調査を郵送法で行った(現状調査の有効回答数20大学、ニーズ調査の有効回答数16大学)。研究倫理教育のゴールとして、明示的に被験者保護に言及していたのは14大学、研究公正に言及していたのは9大学であった。教育項目は多岐にわたり、多くの大学が4年生までに実施しており、講義と事例検討での授業が多く、e-learningを導入している大学もあった。また、研究倫理教育のための人材・教材のニーズや学生のモチベーションの低さなどの課題を把握することができた。これらの結果は、令和元年11月に学会発表を行い、現在論文を執筆中である。 感受性尺度については、医学系研究者を対象としたシナリオを作成している段階である。また、その感受性を評価するためのルーブリックの作成に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ニーズ調査の位置づけであるコンジョイント分析においては、欠損値があると分析を行うことができないため、有効回答数は16大学であった。得られたデータも少なく、分析を試みたものの有用な結果は得られなかった。 倫理的感受性の尺度については、どの領域のシナリオを作成するかの決定が遅れてしまった。また、回答者の倫理的感受性の深度をルーブリックで評価しようと考えているが、そのルーブリックの作成手法から学んだため、成果物の作成が遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
医学部での研究倫理教育の現状調査の報告を行う(英文投稿を予定)。 尺度開発については、研究協力者とシナリオを完成させ、令和2年秋までに複数の専門家に内容に対する意見をもらう(内容妥当性の担保)。並行してルーブリックを作成する。Web調査を用いて、評価にルーブリックを用いる倫理的感受性の信頼性と妥当性を検証する調査を12月までに行う。
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Causes of Carryover |
2020年に入ってからは新型コロナ感染症の影響で、研究協力者と打ち合わせの回数が減り、研究が思うように進まなかった。また、研究成果を報告する論文の作成が遅れた。 2020年度に、英語論文の投稿に伴う英文校閲および投稿料に研究費を使用する予定である。また、研究協力者との打ち合わせおよび学会参加を予定している。
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