2019 Fiscal Year Research-status Report
育児中の共働き女性看護師の睡眠確保に対する夫婦の性別役割分業の影響
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19K21480
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
中山 純果 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (90716169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠 / 女性看護師 / 共働き / 性別役割分業意識 / 育児中 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、2018年度の文献レビューに基づく仮説モデルに沿って作成した調査票により、睡眠確保が阻害されやすい対象と考えられる育児中の共働き女性看護師を対象に夫婦単位の調査を実施した。 調査は2019年6月~12月に実施した。調査対象は、全国病院リストから300床以上の病院を無作為抽出し調査依頼を行った。532病院に依頼状を送付し、そのうち調査協力に同意を得た51病院を調査対象施設とした。調査依頼状は、院長および看護部長に送り、対象者への調査票の配布は看護部に依頼した。看護部には当該病院のスタッフのうち、本研究で対象基準とした育児中の共働き女性看護師(およびその夫)全数への調査票の配布を依頼した。夫への調査票の手渡しは、女性看護師の任意とした。 調査票の配布数および回収数は、夫婦単位で3313組(6626票)の調査票を配布し、回収数は719組(1438票)で回収率は21.7%であった。 調査票の回収率は最終的には目標の20%をクリアしたが、初回の調査依頼においては目標回収集に到達しなかったため、追加調査を行い最終的に上記の回収を得た。 回収数の確保に時間を要したため実施計画に遅延が生じている。現在、データクリーニングがおおむね完了したところであるがCOVID-19の影響により分析の開始が中断している状況である。今後は統計分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
統計分析に必要なサンプル数の確保のため追加調査を行い進捗が遅延していたところにCOVID-19問題が生じ、ICT授業への切り替えのため研究時間が確保できない状況が続いており現在も分析を開始できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度の文献レビューの結果、労働者全般、育児中の女性労働者、看護師において、それぞれ睡眠への影響要因が報告されていたが、いずれの対象においても夫婦の相互作用による睡眠への影響に着目した研究は見当たらなかった。 よって、今後の分析計画としては、わが国で性別役割分業が根強い現状ならびに文献レビューの結果を受け、仮に、職場による仕事と家庭の両立支援により労働時間が適正化した場合においても、家庭において夫婦の性別役割分業意識が伝統的である場合には、夫の家庭労働時間は延長せず、結果として妻は仕事と家庭の双方の労働を担うことで総就床時間が短縮され得るとの仮説を検証する予定である。 分析モデルとしては、先行研究で報告されている睡眠の影響要因を制御した上で、夫婦の役割分担状況および性別役割分業意識が睡眠確保に及ぼす影響を統計的に検証する。
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Causes of Carryover |
目標数とする調査票回収のための追加調査実施のため、分析開始が遅延したことで、分析結果の考察に要する文献の購入を行っていない。また、調査票の回収数は目標数をおおむね確保したが、データ入力の見積り時の回収数を下回ったためデータ入力にかかわる請求額が見積額を下回った。
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