2018 Fiscal Year Annual Research Report
育児・介護を含む家庭内役割と健康との関連を明らかにする社会疫学研究
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18H06403
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
鈴木 有佳 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50827269)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 社会疫学 / 家庭内役割 / 健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】 日本では1970年代から急速に晩婚化・晩産化が進み、2012年時点では、全国で推計25万人(内閣府調査)が子育てと親の介護を同時に行う「ダブルケア」を担っている。女性が社会で働くことが旧来より強く望まれている一方、社会には、子育てや介護等の家庭の仕事を女性が担当すべきだという性別役割分業規範が根強く残っており、女性の負担が増し、健康状態が悪化している可能性が示されている。先行研究では、子育てあるいは介護をする者の心身の健康が損なわれていることが示されているが、子育てと介護が同時に存在する現代の家庭内役割と健康との関連についての研究は行われていない。 そこで本研究では、日本人の代表サンプルである国民生活基礎調査および次世代多目的コホート研究(JPHC-NEXT)等の大規模コホート研究のデータを用いて、男女の子育てや介護をはじめとした家庭内役割と健康との関連を明らかにすることを目的とする。
【今年度の実績】 2018年度は、国民生活基礎調査の調査票情報ならびに、JPHC-NEXTの研究データを入手し、データクリーニングを行った。それぞれのデータベースの構築を完了し、解析を開始した。国民生活基礎調査データを用いて得られた、子育てと親の介護を同時に行うダブルケアを含む、子育てや親の介護の有無と自覚的健康観および精神健康の関連についての結果は、国際学会へ抄録を登録し、発表することが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2018年度は国民生活基礎調査の調査票情報を入手し、データベースの構築を完了した。そのデータを用いて、ダブルケアを含む、子育てや親の介護の有無と自覚的健康観および精神健康の関連について解析を進めることができた。研究結果は、国際学会へ抄録の登録を行った。また、JPHC-NEXTについては、研究データを入手し、データベースの構築を完了し、解析を開始することができた。2019年度は引き続き解析を行い、更なる学会発表ならびに論文発表を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
国民生活基礎調査の調査票情報ならびに、JPHC-NEXTの研究データを用いて仮説検証を行い、それらの結果を国内外での学会および論文で発表する。2019年6月には国際学会で国民生活基礎調査の解析結果を発表予定であり、また、10月に開かれる国内学会へも抄録を登録する予定である。学会発表と並行して論文の執筆を進め、英文校正の後、ジャーナルへ投稿し、年度内のアクセプトを目指す。
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Research Products
(2 results)