2019 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical studies for the regaining of electronic device operation focus on cognitive characteristics in the Bálint syndrome
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19K21483
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
砂川 耕作 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 助教 (60824844)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バリント症候群 / 電子機器 / 視空間障害 / 視空間ワーキングメモリ / 注視分析 / インターフェイス |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会では携帯電話やパソコン、銀行ATM、発券機などの電子機器は必要不可欠となっている一方で、高次脳機能障害を呈した症例はこれらの機器を使いこなせず、生活に支障をきたすことが少なくない。われわれは、高次脳機能障害の中でもバリント症候群でより低下する視空間ワーキングメモリや非効率な注視といった特性を実証的に検証することで視空間障害を呈した症例に対する代償手段の開発と電子機器使用の促通に繋げることを目的としている。 本研究において、バリント症候群を呈した症例(バリント群)は左半側空間無視を呈した(USN群)、記憶障害を呈した症例(記憶群)、健常群と比較して、銀行ATMの数字入力操作は所要時間が延長し、3秒以上操作が止まってしまう停滞数も増加した。停滞を質的に分析すると、バリント群は他の群と比較してタブレット上のボタンを探索する割合が多かった。その要因は視空間ワーキングメモリの低下により、ボタンの位置関係の再現性が乏しいため、ボタンの数字を確認しながらの操作であることが考えられた。視空間ワーキングメモリと電子機器操作の関連性をさらに分析するため、軽度のバリント群に対してアイカメラを装着し、操作中の注視点を分析した結果、バリント群は注視点の変動が大幅に増加し、非効率なボタン探索をしていた。 視空間ワーキングメモリの低下を呈したバリント群への効率的な数字入力操作を検討するため、インターフェイス上のボタンを大きくしたり、一つずつ入力数字を提示したり、音声にて入力番号を提示したりする方略を提供したが、非効率なボタン探索は残存していた。今後、視空間ワーキングメモリの低下を伴う視空間障害を呈した症例に対しては、位置関係を把握しやすい工夫や誘導、視覚情報量の調整等のインターフェイス上の改良が必要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)