2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of forensic human identification method baced on virome by next generation sequencing
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18H06406
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
岸本 麻衣 科学警察研究所, 法科学第一部生物第五研究室, 研究員 (20822068)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | ヒト常在ウイルス叢 / 個人識別 / 次世代シークエンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、次世代シークエンサー(以下、NGS)によるヒト皮膚常在ウイルス叢による個人識別をするための実験条件の検討をした。ヒト皮膚スワブからNGSによりウイルスのメタゲノム解析を実施する場合、サンプルに含まれるウイルス由来配列の絶対量が非常に少ないため、個人識別に足るデータ量を得ることが一番の課題となる。そこで、サンプル採取~ライブラリー調製において、ヒトゲノムや細菌ゲノム等のバックグラウンドを低減させつつウイルスゲノムの回収効率を上げるための処理方法について検討を実施した。具体的には、核酸抽出前の①フィルター濾過によるヒト・細菌由来細胞の除去、②核酸抽出前のDNase、RNase処理によるCell-free核酸の除去、③核酸抽出キット、④DNA・RNA個別抽出または同時抽出、⑤ライブラリー調整前のランダム増幅の有無の各条件で調整したライブラリーをNGSで解析し、ヒト・細菌・ウイルス由来リードの比率により各手法を評価した。その結果、①フィルター濾過、③核酸抽出キットおよび④DNA・RNA個別抽出または同時抽出については、ほとんどヒト・細菌由来リードの低減に効果が見られなかったが、②DNase、RNase処理を実施したサンプルでヒト由来リードの大幅な減少が見られた。また、⑤ランダム増幅を実施したサンプルでは、ファージ由来のリードの大幅な増幅が確認された。そのため、被験者から採取したサンプルについては、サンプル採取→DNase処理→ランダム増幅→ライブラリー調製→NGS解析のワークフローでデータを取得し、個人識別法の検討を実施していくこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、皮膚スワブからウイルス遺伝子由来配列を得るための、サンプルの前処理法、ライブラリー調製法およびデータ解析方法の基礎的検討を実施し、ワークフローを確定することができている。また、予定通り被験者からのサンプル採取も実施した。その際、想定よりもウイルス由来核酸量が少なかったため、本研究内で実施可能な次世代シークエンスのラン数からサンプル数を再検討し、当初の予定よりは採取サンプル数を減らした。以上より、おおむね当初の計画通りに実施できていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、被験者から採取したサンプルについて、サンプル採取→DNase処理→ランダム増幅→ライブラリー調製→NGS解析のワークフローでデータを取得し、個人識別法の検討を実施していくこととする。
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