2020 Fiscal Year Research-status Report
牛肉、豚肉、および鶏肉の同時定量法の開発 ~特定原材料の一斉分析に向けて~
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19K21487
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山崎 朋美 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (30827275)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ELISA / サンドイッチELISA / ミオグロビン / 豚肉 / モノクローナル抗体 / イムノセンサ / 表面プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、一斉分析法であるイムノセンサ開発の基礎となる以下3つの課題をすすめた。 ①構築した豚肉測定用のサンドイッチELISAの評価を行った。まず、豚ミオグロビンに反応し、牛ミオグロビン、鶏ミオグロビンには交差反応しなかった。牛肉、または鶏肉に10 μg/gまたは100 μg/gの豚ミオグロビンを添加し添加回収試験を行った。その結果、94%~115%また、添加後に120℃で20分間加熱した場合でも106%~158%と定量可能だった。また、牛肉に1%混合した豚肉を生および加熱後に検出可能だった。文献調査の結果、これまで加熱(加工)された食品に含まれる豚タンパク質の定量は困難であった。困難な理由は、加熱によりタンパク質の抽出効率が低下するためである。本研究ではSDSを抽出に用いたため、加熱した食品から測定対象とした豚ミオグロビンをほぼ全て抽出できた。また、サンドイッチELISAに使用した抗体は、SDSで変性した豚ミオグロビンの免疫により得られた抗体である。その結果、加熱した牛肉および鶏肉で豚ミオグロビンが定量でき、既存の測定方法と比べより実用的な豚肉測定方法を構築できた。 ②昨年度鶏肉から粗精製したトロポニンをマウスに免疫して得られた2種類のモノクローナル抗体の反応性を確認したところ、一つはトロポニンTに反応し、もう一方はトロポニンIに反応すると考えられた。抗トロポニンT抗体は鶏肉に反応し、豚肉及び牛肉には交差反応しなかった。抗トロポニンI抗体は、鶏肉、豚肉、牛肉に反応を示した。 ③鶏肉測定用のELISA及びイムノセンサの構築に向けて、検量線作成に用いるための鶏トロポニンの調製方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたイムノセンサへの展開まで進められなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
①検量線作成に用いるための鶏筋肉タンパク質の調製を行う。 ②得られた鶏筋肉タンパク質に対するモノクローナル抗体のELISAの構築を行う。 ③これまでに作製したモノクローナル抗体を使用し、イムノセンサの構築に取組む。
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Causes of Carryover |
当初計画していたイムノセンサの構築を先送りにしたため。次年度、イムノセンサの構築に必要なセンサチップの購入、交通費等の旅費に使用する。
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Research Products
(1 results)