2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cognitive function and intelligence in children with congenital upper limb deficiency
Project/Area Number |
19K21489
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真野 浩志 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医 (30647748)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 四肢形成不全 / 四肢欠損 / 認知機能 / 知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31(令和元)年度は,平成30年度から引き続き研究参加者として対象となる先天性上肢形成不全児の募集を継続し,累計10人の児およびその保護者から研究参加の同意を得て,10人全員について,【検査①:発達・適応行動検査として日本版Vineland-II 適応行動尺度を実施する.本検査は児の適応行動について保護者に半構造化面接法により質問を行い実施する.】および【検査②:知能検査としてウェクスラー式検査である日本版WPPSI-III 知能検査または日本版WISC-IV 知能検査のいずれかを実施する.前者は低年齢,後者は高年齢の検査であり,どちらを用いるかは年齢や学年を考慮し決定する.】を実施済みである. 結果について解析を行った.先天性上肢形成不全児の知能,適応行動はいずれも平均的であった.一般に運動障害のある児は,Wechsler系知能検査において,知能指数が低いとされているが,本研究における先天性上肢形成不全児では当てはまらなかった.理由のひとつとして,義手を含むリハビリテーション治療により上肢運動機能が十分獲得できていた可能性が考えられた.なお,研究代表者は本研究の成果について,第57回日本リハビリテーション医学会学術集会にて筆頭演者として発表予定(演題採択済み)である. 本研究は,小児における運動機能障害と知能・認知機能の関係について,一部ではあるが明らかにした.本研究の成果は,今後,四肢障害児・者に対するよりよい支援を構築する上で役立つものと考える.
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