2020 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症患者の骨格筋変性に関連する因子の解明に向けた縦断研究
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19K21493
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 匡史 京都大学, 医学研究科, 助教 (00827701)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 骨格筋変性 / 筋質低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性膝関節症(膝OA)患者を対象として骨格筋変性に影響する因子を解明することが目的として2つの研究を実施した。 1つ目の研究として、過去に歩行計測を実施した膝OA患者21名を対象に7年間の縦断変化を調査し、ベースラインの歩行特性が大腿四頭筋の筋変性に与える影響について分析を行った。21名のうち、人工膝関節置換術および高位脛骨骨切術といった外科的治療を行った症例を除き、追跡可能であった13名を対象に分析を行った結果、ベースラインの歩行特性と大腿四頭筋の筋変性には有意な関連を認めなかった。 2つ目の研究として、超音波画像診断装置および生体電気インピーダンス分光法を用いて、筋厚、筋輝度、細胞内外液比を計測し、膝OA患者の大腿四頭筋における筋変性の特徴を明らかにすることを目的とした。地域在住高齢者27名、膝OA患者41名を対象として、筋厚、筋輝度、細胞内外液比を計測、分析した結果、膝OA患者の筋変性は、内側広筋の筋輝度・細胞内外液比の増加によって特徴づけられることを明らかにした。筋輝度および細胞内外液比の増加は、骨格筋の質的低下を示す指標であり、膝OA患者の筋変性は筋質低下による影響が大きいことが示唆された。この結果をもとに、膝OA患者の筋変性と機能障害の関連について分析したところ、生体電気インピーダンス法より算出した筋量指標の減少(筋萎縮)ではなく、細胞内外液比の増加(筋質低下)が機能障害と強く関連することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)